ヨコハマの猟犬探偵【ヒプマイ×PSYCHO-PASS】

三郎の独り言 三郎視点 ページ14

────────此処は、イケブクロ・ディビジョン、萬屋ヤマダの事務所。
最近、一兄が見知らぬ男を拾い、ひょんなことから男が居候する事になった。
どうやら訳ありなようで、あまり詳しい事情は聞けなかったが、泊まる代わりに僕達萬屋の仕事を手伝う傍ら、仕事がない日は何処かへ行っている。
一兄が連れて来たとは言え、初めは僕も二郎も怪しい男に警戒していたが、いつの間にか男がいる光景に馴染んでいた。否、馴染むどころか意外にも僕達は親しくなっていた。そんな男の名は、“狡噛慎也”。

(背はでかいし、服を着ていても分かる程筋肉質でガタイはいいし、顔はな、何か怖そうで近寄り難い雰囲気もあるけど……鬼面仏心なんだよな。一兄が一番だけど！)

一兄と狡噛は波長が合う所があったのか、最初の段階で割と意気投合していた。
次に狡噛と親しくなったのは二郎。
狡噛はそのガタイの良さを裏切らない程に運動神経が良く、体術も出来るとのこと。それを教えて貰った二郎が狡噛をサバゲーに誘ったらしいが、家に帰って来た時には滅茶苦茶仲良くなっていた。
むしろ二郎が興奮気味に「狡噛すげぇ！あの技どうやんだ！？」と狡噛に色々質問していた。
どうやら二郎だけでなく、二郎の友人であるサバゲー仲間とも仲良くなったらしい。
二郎曰く、狡噛は武器にも詳しく、作戦も狡噛が色々教えてくれたので勝負に勝てたとの事。
対人関係を築くのが上手いのか、思わずついて行きたくなるカリスマ性があるのか、はたまた両方か……とにかく、僕は気に入らなかった。

(何だかんだで二郎と同じ脳筋じゃないのか？とか思ってしまったけど……アイツ、どんだけハイスペックなんだよ)

予想外の事に、狡噛は学もあり、頭もキレた。
恐らく、そこら辺にいる人間よりも。
頭だけじゃない。観察力や洞察力、推理力、直感力等など……色んな面で優れていた。
と言うのも、僕の得意なボードゲームで僕に勝っただけでなく、僕の癖や、思考等を見事見抜いて適切なアドバイスをくれた。

(負けたのは悔しいし、ムカつくけど……凄い頼れるのは間違いないんだよなあ。見た目ほど怖くなかったし。むしろ優しかった。一兄は恐らく、狡噛のそういったとこや男らしさを気に入ったんだろうな。しかも、各国のアジア系料理作れるし、英語も話せるし……仕事でも家事でも助かってるって一兄言ってたなあ)

「それでいて素性が謎なのが怪しい反面魅力にもなるとか……ズルいだろ。本当に何者何だ？」

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