シンジュクの夜 独歩視点 ページ10
半グレが捕まった同時刻、シンジュクの街にて。
「はぁ……。今日も疲れた……。あのハゲ課長のせいでまた残業する羽目になったし……くぅ……」
残業帰り、一人で人気の無い道を歩いていると、突然「ちょーっといーかなー?そこのリーマン」と誰かに声を掛けられ、顔を上げる。
目の前にはあからさまにガラの悪そうな男達が数人。
「うっわ。すげー社畜って感じのリーマンじゃん」
「もしかして今仕事帰り?どうせなら、気晴らしに俺達と遊ぼーぜ?リーマンさん。あんたの奢りでさあ?」
「ぎゃはははは!」
(う、うわぁ……カツアゲ?さ、最悪だ。ついて無さすぎる。あぁ、こんな時間に出歩かなければ、普通に真っ直ぐ家に帰れたはずなのに……)
「す、すみません。それは、ち、ちょっと……」
「あぁ?聞こえねーよ」
「ボソボソ喋んなよ気持ち悪ぃ」
「言いたいことあるならハッキリ言えっつーの。てか何?文句でもあんの?」
「ひ、ひぃ……い、いえ、その……」
この状況をどう抜け出そうか考えようとするも、混乱して上手く考えられない。そんな時だった。
チンピラ達の後ろから「おい。その辺にしてやれ」と、見知らぬ男の人の声が聞こえた。
ガタイはいいし、怖そうだし、チンピラ達の仲間かと思ったが、どうやら違ったようだ。
「誰だテメェ。部外者は失せろや」
「はっ。この世界に“シビュラシステム”があれば、お前達は明らかに潜在犯として施設行きだろうな……」
(シビュラシステム?潜在犯?この世界にって、どういう事だ?)
「意味わかんねぇ事言いやがって……!」
「悪いが、俺はヒプノシスマイクってのは持ってないんでね。やり合うなら、拳の方が助かる。拳じゃあ俺に勝てないってんなら、話は別だが」
「調子にのんじゃねぇ!」
チンピラ達が殴りかかろうとするが、男の人は攻撃をかわし、俺が呆然としてる間にたった一人で全員を倒してしまう。
(す、すご……。喧嘩慣れてる感じだったけど、何者だ?この人。ヒプノシスマイクは持ってないって言ってたけど……)
「アンタ、大丈夫か?」
「あ、は、はい!助けていただき有難う御座います!な、何かお礼を……」
「いや、気にするな。俺が勝手に割って入っただけだからな。それより、顔色悪そうだな。お節介かもしれないが、無理は禁物だぞ?じゃないと色相が濁って……」
「色相?」
「あー、こっちの話だ。んじゃ、俺はもう行く」
「あ、あの、お名前を聞いても……?」
「名乗る程のもんじゃないが、まぁいいか。俺は───────狡噛慎也だ」
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イマツギ(プロフ) - 続きが楽しみです。お時間があれば更新頑張ってください! (2022年3月12日 12時) (レス) @page34 id: f5ff06f155 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - 面白い!更新頑張って下さい! (2020年4月10日 13時) (レス) id: ceacd95bed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遙 | 作成日時:2016年2月6日 20時