噂の友人さん ページ27
数十分歩いて私達がついたのは、地下にあるBAR。
噂の友人はつい最近不良仲間二人とバンドを始めたのか、知り合いのBARを点々としながら演奏をしているらしい。
知名度の高いFlingPosseのリーダーである乱数から真っ先に声を掛けて話を聞こうとするも、疑われているのが癇に障ったのか、何故か相手は喧嘩腰。
ラップバトルを挑んで、案の定FlingPosseが勝った。
(乱数自ら案内すると言い、偶然とはいえ仲間を連れて来たのはこういう事態が起きると予想していたからかな)
私の考え過ぎかもしれないが、乱数は割と計算高い人物だと踏んでいる。
私がそう言いきれるのは、元の世界に居た時、雑賀譲二先生と話をして人の見方や心理学等について教わった事があるからだ。雑賀先生には及ばないが、日常や事件解決にその時の教えが役立っているのは確かだ。
(ヒプノシスマイク、か。私には馴染みが無さ過ぎてうっかり忘れていたよ。何なら、マイクを使われる前に奪えばいいと考えていたし)
「くっそ……」
「では、話を聞かせてもらいましょうかね。貴方一人が大人しくしていれば、他二人も巻き込まずに済んだんですよ?素直に白状して下さい」
「幻太郎ノリノリじゃねぇか」
「Aオネーサン、まずは何から聞くー?」
「そうだなぁ……じゃあ最初に……」
その後、クスリについて知っている友人さんに何個か質問をした。他二人のメンバーは何も知らないようで、呆けた顔をしていた。
話を聞いた所、友人さんは元シンジュクのホストで、同僚の一人とお客さんの女の子からクスリの話を聞いただけで自分は手を出してはいないと話してくれた。
それだけじゃない。顔は見ていないが、それらしき売人がシンジュクの路地裏で若者にクスリを売っていた場面も目撃している。売っていたのが私が調査しているクスリかどうかは分からないが……。
「クスリを使用した同僚の様子はどの様な様子でしたか?他にも、クスリに関する情報を貴方に話しませんでしたか?」
「様子つったってなぁ。話を聞いた時は普通だったよ。でも俺、ソイツからクスリの話を聞いた翌日に抜けたから詳しくは知らねぇ。女の子のお客さんとも会ってないし。クスリの名前も、どんな物なのかも知らねぇ。捕まったっつー半グレの友人達もヤクを売ってるって知ってたから、こういう話を聞いたぜってな具合でクスリについて教えただけだ。言っとくが、俺はそういった話を聞くだけで本当に手は出してないからな」
「……分かりました。ご協力有難う御座います」
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イマツギ(プロフ) - 続きが楽しみです。お時間があれば更新頑張ってください! (2022年3月12日 12時) (レス) @page34 id: f5ff06f155 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - 面白い!更新頑張って下さい! (2020年4月10日 13時) (レス) id: ceacd95bed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:遙 | 作成日時:2016年2月6日 20時