黄瀬くん、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？５

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黄瀬の家

黄瀬side



｢じゃ、そこら辺に座ってて、


A…っちは飲み物、紅茶とジュースどっちがいいっスか？｣




｢ん〜、じゃあ紅茶お願いしてもいい？｣





｢りょーかいっス。んじゃちょっと待ってて｣





｢はーい｣






そう言ってオレは自分の部屋から出てキッチンに向かう。




それにしても、さっきのAっちの発言には驚いた。


なんであの子は変なところで鋭いんだ？




心当たりが無いわけではない。


オレはあのときAっちが紫原っちのことを


『敦君』



って呼んだのに多分嫉妬しているんだろう。





我ながら器が小さいって思う。



でも、オレはAっちに下の名前で呼ばれたことが記憶にない。

それなのに紫原っちは会ったばかりで呼ばれてた。






現にさっきも、紫原っちより優位に立ちたくて

Aっちの名前を呼ぼうとしたけど、



気恥ずかしくていつも通りになってしまうし……




……自分、かなり女々しいな。


なんかホンット自分がうざってー。






そんなことを考えながら

コップに紅茶を注いで、


お盆にのせてカチャカチャと音を立てながら部屋へと運んでいく。






部屋へ着くとなぜか閉めたハズのドアが開いていた。




おかしいな…



なんて考えているとドアの影からAっちの顔がヒョコッっていう効果音がオマケでついてきそうな感じで出てきた。





｢…｣



｢…？｣




｢…ドア、お盆持ってたら開けにくいかと思って…。ごめん、迷惑だった？｣









………………………………なんなんだ、この可愛い生物は。

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