検索窓
今日:16 hit、昨日:5 hit、合計:22,747 hit

174  ページ32

「千春が、私に自分のことを好きで

いられるようにしてくれたんだよ」





「わ、私はアンタを利用したのよ!?」

「知ってるよ」


千春が私を利用してたのは知ってたよ。

あの日、私が千春の手を初めて握った日、

千春は一瞬迷ってた。

このままシカトするか私を利用するか。




「私、小さい頃から

人の感情読み取るの得意でさ…

分かっちゃったんだよね。

千春の気持ち」



そして、

千春は私の手を利用するために握った。



分かってたよ。




でも、




「私も千春を利用してたもん。

だから、おあいこ」





その代わりに私は千春を


桔梗姉ちゃんを超えるために利用したんだ。




でもね千春とテニスをしていくうちに、

手のひらを合わせていくうちに

そういうことはどうでもよくなったんだ。


ただ千春とテニスをするだけで

嬉しくなったんだ。

結果なんてただの副産物であって、

私はテニスが好きになったんだ。



千春がいなかったら、

全国で一位になった時点で辞めていた。


千春がいなかったら、諦めていた。





千春がいなかったら、つまんなかった。



「私がテニスで全国まで行けたのは

全部千春のおかげなんだよ」






だから千春、なんで?





「それなのになんで、

私を好きにさせてくれた千春が

自分のことを嫌いになってんの?」




ふざけるな。

ふざけるな。

ふざけるな。


「ふざけるな。
千春が自分のこと嫌いになってたら、

誰にも好かれないんだよ?

私はね、千春のこと大好きなんだよ?





だから、」






だから、





「お願いだから、







自分のことを嫌いにならないで」






「……イヤよ。もう。私はアンタが、嫌いなの」





「うん」





「Aなんて、いなくなればいいんだ」



「えー、」


「ホント、大嫌い」


「私は、大好きだよ?」





「でも、……今まで、ごめん。


あと、









ありがとう」









そう言った千春の目は三日月の形をしていて、

涙で潤んでいた。

175→←173 過去の話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
34人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ガトーショコラ@引退について。ボード(プロフ) - 緋桜霧月 さん» うわぁぁあ!?コメントありがとうございます!!え、すっごい嬉しいです!ありがとうございます( ´∀`) (2014年11月25日 20時) (レス) id: 878191e79d (このIDを非表示/違反報告)
緋桜霧月 - ここまで完璧な作品、見たことない!いきなりですいませんが、マジでファンです。更新頑張って下さいッ!! (2014年11月25日 3時) (レス) id: b416ced436 (このIDを非表示/違反報告)
ガトーショコラ@引退について。ボード(プロフ) - くろさん» おっけーよー! 返信遅れてごめんね! (2014年11月24日 23時) (レス) id: 878191e79d (このIDを非表示/違反報告)
くろ - id変わったからね (2014年11月8日 22時) (レス) id: 591407282b (このIDを非表示/違反報告)
くろ - 加賀ちゃん久しぶり元気だった?ランキングはいったんだねおめでとう!!体調崩して入院してたから全然見れなかったんだこれからもがんばってね応援してるよ (2014年11月8日 22時) (レス) id: 591407282b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ショコラティア | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/simeyo/  
作成日時:2014年4月29日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。