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163 大丈夫 黄瀬side ページ20

「…で?」


なるべく気づかれないように声に感情をなくしてそっけなく返す。



でも心の中では疑問と喜びと戸惑いがぐるぐると渦巻いていて、

できればこれ以上関わらないで欲しいハズなのに




どこかで少なからず何かを期待をしてしまうオレがいた。






「黄瀬君もピアスしているよね?

それってなんで?



このピアスの意味って(愛しい人)なんでしょ?黄瀬君、正直に答えて。



私は今モデルの黄瀬君に話しているんじゃなくてただの黄瀬君に話しているんだからね…?」









オレの中にあった壁が壊れていくような気がした。








「……ホント、Aっちにはかなわないっスよ」





「……」







「Aっち…オレ、ホントはずっと、Aっちに会いたかったんス」









少しずつ静かに本音を紡いでいく。






オレはAっちを抱きしめた。

やっぱり、Aっちは痩せた。



もともと細かったんだけど前よりもさらに細くなっている。





オレはこの小さい体にどれだけ大きな負担をかけてしまったんだろう。








「黄瀬…君?」







「いきなりいなくなってごめん…



それに、さっきあんなことして…





嫌いになっても仕方ないっスよね…」








本当に、ごめん。









「そんな…嫌いになんてならないよ。









大丈夫」









Aっちの優しい声がオレの心を溶かしていく。





「ピアス、付けてくれてたんスね」




「うん」






「オレ、また前みたいに戻れるっスかね…?」







「大丈夫。笠松さんも、森山さんも、火神君も、黒子君も、緑間君も、高尾君もみんな心配してたから」









「…そうっスか」






それだけ多くの人が……








オレはなんで早く気付けなかっただろう。






オレの周りにはいつも女子ばっかだけどその中にはこんなにたくさんのオレを分かってくれていた人がいたのに…









「それじゃ、笠松さんの所に行こ?」









「Aっち、ありがとう」









オレは再度Aっちの耳元で呟いた。

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ガトーショコラ@引退について。ボード(プロフ) - 緋桜霧月 さん» うわぁぁあ!?コメントありがとうございます!!え、すっごい嬉しいです!ありがとうございます( ´∀`) (2014年11月25日 20時) (レス) id: 878191e79d (このIDを非表示/違反報告)
緋桜霧月 - ここまで完璧な作品、見たことない!いきなりですいませんが、マジでファンです。更新頑張って下さいッ!! (2014年11月25日 3時) (レス) id: b416ced436 (このIDを非表示/違反報告)
ガトーショコラ@引退について。ボード(プロフ) - くろさん» おっけーよー! 返信遅れてごめんね! (2014年11月24日 23時) (レス) id: 878191e79d (このIDを非表示/違反報告)
くろ - id変わったからね (2014年11月8日 22時) (レス) id: 591407282b (このIDを非表示/違反報告)
くろ - 加賀ちゃん久しぶり元気だった?ランキングはいったんだねおめでとう!!体調崩して入院してたから全然見れなかったんだこれからもがんばってね応援してるよ (2014年11月8日 22時) (レス) id: 591407282b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ショコラティア | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/simeyo/  
作成日時:2014年4月29日 20時

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