159 ウソ 黄瀬side ページ16
「何言ってんスか?とりあえず走るんで掴まってくださいっス」
「とりあえずもなにも…」
「行くっスよ〜」
シカトをしてオレは地面を強く蹴る。
ビュン
風がオレの黄色い髪を撫でていく。
「…きゃーっ!?」
少し速過ぎたのかAっちはオレに抱きついてくる。
え?なに、この可愛い過ぎる生き物。
本当は、いつまでもこうして一緒に笑って、
一緒に過ごしていたいんだ。
だけどオレは一緒にいて苦しむ君を見るよりはオレのいないところだとしても笑う君を見ていたい。
だから……ごめん。
オレは君にウソをつく。
「きっ黄瀬君、もういいから、大丈夫だから、
下ろして!!」
Aっちを連れ去ったあと当然なのかは分からないけど鬼の形相をした女子に追いかけられた。
そのまま逃げ続けるのもダルいから適当に選んだ部屋でオレたちはオレのファンが通り過ぎるのを映画さながら息を潜めて待ってた。
「ああ、忘れてたっス」
ああ、もうすぐAっちに言わなきゃいけないんだよなぁ……
嫌だな〜
「黄瀬君、「なんで来たんスか?」」
「え?」
Aっちの目には驚きと悲しみの色が宿った。
本当はこんなこと言いたくなんてないのになぁ……
どんなに優れた矢であっても放たれた矢は決して帰ってくることはない。
深呼吸をしてなるべく感情が出ないようにオレは冷たく言い放ち、後ろにあるドアの鍵をかける。
その音は静かな部屋に不気味な程響き渡った。
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ガトーショコラ@引退について。ボード(プロフ) - 緋桜霧月 さん» うわぁぁあ!?コメントありがとうございます!!え、すっごい嬉しいです!ありがとうございます( ´∀`) (2014年11月25日 20時) (レス) id: 878191e79d (このIDを非表示/違反報告)
緋桜霧月 - ここまで完璧な作品、見たことない!いきなりですいませんが、マジでファンです。更新頑張って下さいッ!! (2014年11月25日 3時) (レス) id: b416ced436 (このIDを非表示/違反報告)
ガトーショコラ@引退について。ボード(プロフ) - くろさん» おっけーよー! 返信遅れてごめんね! (2014年11月24日 23時) (レス) id: 878191e79d (このIDを非表示/違反報告)
くろ - id変わったからね (2014年11月8日 22時) (レス) id: 591407282b (このIDを非表示/違反報告)
くろ - 加賀ちゃん久しぶり元気だった?ランキングはいったんだねおめでとう!!体調崩して入院してたから全然見れなかったんだこれからもがんばってね応援してるよ (2014年11月8日 22時) (レス) id: 591407282b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ショコラティア | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/simeyo/
作成日時:2014年4月29日 20時