黄瀬くん、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？５

１５５　先輩と後輩 ページ12

｢笠松さん!!｣


｢Aちゃん！黄瀬は…｣


｢笠松先輩、森山先輩、お久しぶりっス…｣


黄瀬君が申し訳なさそうに出てくると

笠松さんは目にも止まらぬ速さで黄瀬君を蹴り飛ばした。



｢黄瀬ぇ!!シカトするのはいいとして、


テメェ練習までサボりやがって…シバくぞ!!｣




口では乱暴なものの笠松さんは心の底から安心したような顔をしていた。


｢笠松先輩、森山先輩……すまっせんした！
オレ、ホント…｣




｢…前に言っただろ。


少しぐらいは相談しろっての。ただでさえ考える脳みそねえんだからよ｣





｢……はいっス｣





よかったね。黄瀬君。







私はその光景を少し下がったところで見ていた。







｢それじゃ、笠松オレたちはそろそろ行くぞ｣





不意に森山さんはそんなことを口にして笠松さんの肩を叩いた。








｢は？なんで？｣





｢いいから行くぞ。
それじゃお二人さんはごゆっくり〜｣








そう言って森山さんは不思議がる笠松さんを連れてどこかに行ってしまった。








｢制服返してないのに…｣




私が呟いた言葉は風邪に乗ってに飛んでいく。

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