黄瀬君、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？4

１０９　スキャンダル　黄瀬side ページ1

ホントは別れたいなんて思ってないし、どんなことがあったって別に乗り越えられると思っていた。


あの日、ナンパから助けた女の子が今の彼女なんて、何かのマンガかと思う。

いつもふわふわしていて少しでも触ったら壊れてしまいそうで…

ただ守りたい。




その一言だった。
















ある日部活中に千春に呼び出されて人気のない場所で言われた言葉。




｢黄瀬君、これ以上Aと付き合っていたら私、この写真を編集室に持って行くから。



それで傷つくのはAなのよ？



分かったら今すぐAと別れて？｣








｢は？｣


あまりにも自己中すぎる千春の言葉と一緒に差し出されたのはAっちとのツーショット。







なんか、やばいな。








｢人気モデルに一般の彼女がいたら、どうなるか…






痛い程分かっているわよね？黄瀬君？｣









つまり、









｢スキャンダルと引き換えでAっちと別れろってことっスか？｣





そんなの







｢バカにしてんスか？んなことしても意味なんてないっスよ？｣






危険性については確かに分かっている。




でも、別に事務所にお願いでも土下座でもしてすぐに公表してもらえれば別にどうということはない。









｢じゃあ、あなたの可愛い可愛い彼女さんはあなたの大切なファンの皆さんから影でいじめられるのね｣






は？









｢まさか、公表すればいいとか甘いこと考えているんじゃないわよね？



あなたのファンの子たちがその程度で



『はいそうですか。お幸せに』






ってあきらめるワケがないでしょう？




あの子のことだから何かされても絶対に



大丈夫って笑うんだろうな〜…









かわいそうに｣

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