黄瀬君、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？3

８９　好き ページ22

｢好きっスよ。オレと、付き合ってもらえないっスか？｣







ねぇ、神様。これは夢じゃないんですか？





もし夢じゃないんだったら私、耳がどうかしちゃったみたいです。



だって、黄瀬君が私のことを









　 好き









だなんて聞こえてしまったんだから。




多分、末期症状だな。コレは…







｢Aっち？あの…｣






黄瀬君が上目づかいで私を見てきた。


｢えっ!?｣



｢返事…もらえないっスかね？｣



『返事』『へんじ』『ヘンジ』。









『答え』なんてもう、決まっている。






｢…私黄瀬君に釣り合わないよ？



私なんてブスだし、アホだし、マヌケだし、バカだし、ドジだし、デブだし…









それでも、私と付き合ってくれるの？｣







｢…本当にアホっスね。


なんでそんなに自分を下げるんスか？



当たり前じゃないっスか。








なんでオレがAっちをフんなきゃいけないんスか？｣




｢…｣





　 ぽろっ






｢あっ、あれっ？なんで私泣いてるんだ…？｣






まばたきをした瞬間に私の目から雫が落ちて手の甲でミルククラウンみたいにキレイに跳ねた。





突然溢れ出した涙の止め方なんて私は知らない。





｢ご、ごめん。なんか止まんなくて｣




嬉しくて、安心して、気を緩めたら止まらなくなってしまったみたいだ。









｢そういうときはこうすればいいんスよ？｣

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