86 片思い ページ19
「どうして黄瀬君がここにいるの!?」
少し走ったせいか肩が上下する。
いきなり現れたのは私の片思い中の人、
黄瀬涼太。
やっと自分の気持ちを素直に受け止めることができたけど、
狙ったとしか思えないタイミングで登場してきた。
正直、心の準備がまだ出来ていない。
しかも私なんかにわざわざ会いに来る理由が見当たらない。
「Aっちに会いたかったから」
なのに、
そう答えられて私は予想外の答えに動揺してしまう。
「な、え?」
どんどん自分のほっぺに血液が集中していくのが分かった。
いきなり何を言い出すんだ?黄瀬君は…
私に会いたかったから?
…いや違う。
勘違いすんな、自惚れんな私。
何か理由があって誠凛に来たんだ。
さっきのは冗談だったんだよ。
「とりあえず…場所を変えないっスか?」
少し迷ってから黄瀬君はそう言った。
私はというと、ああ思ってたはずなのに、
ただ赤くなるほっぺを隠しながら頷くことしかできなかった。
「うーん…ついて来てもらえるっスか?」
そう言って黄瀬君は私の手を掴んだ。
また一気に顔が赤くなる。
なんとなく目をやった私達の教室の窓からは真夏が楽しそうに見ている。
そして視線を真夏から外して私達の周りに向けると…や
っぱり、こうなりますよね…
男子は私をおもしろそうに見ている。
女子は、というと…
私を羨ましいような恨めしいような目で見ていた。
女子の女子に対する嫉妬心ほど醜いものはない。
というより怖いものはない。
と言った方が正しいのかもしれない。
そしてその矛先が私だなんて考えただけでも背筋が凍りついた。
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ショコラティア(プロフ) - 禊ゆうとさん» どもども。毎回初コメありがとーですww今度は飴ちゃんからキャラメルにしようかな?w ういっす。頑張らせてもらいまっすw (2014年3月24日 22時) (レス) id: 878191e79d (このIDを非表示/違反報告)
禊ゆうと(プロフ) - どうもコメント常習犯でございますw頑張れ! (2014年3月24日 22時) (レス) id: 4d537a68f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ショコラティア x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/simeyo/
作成日時:2014年3月24日 21時