黄瀬君、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？２

３９　　ありきたりなサクセスストーリー ページ10

ペアの子と何人かの友達には少しだけだけどいつも通りの自分でいれることができた。



だから自然と一緒にいる時間が長くなっていった。







そんなある日、私に変化が訪れた。




なんかいつも以上に集中できたんだ。









それから一週間後、私は桔梗姉ちゃんに勝った。






成果はどんどん表れる。

秋には都大会で優勝。

２年の春には関東大会。


秋に全国大会出場。






３年の春、私はついに１位になった。



まるでどこにでもあるような、

ありきたりなサクセスストーリーみたいに全てが上手くいった。






でも、なんでだろ。試合にいくら勝ってもあまり嬉しくないんだ。




一線を置いたことで私は感情が急な才能の開花についてこれなかった。



どこか他人のことのように思えて仕方なかった。







だから、かな？


私の周りは変わっていく。

ちょっと待ってよ。



なんでみんなテニスのやる気がないの？


ねぇ、なんで私を睨むの？





私はただ誰かに認めてもらいたかっただけなのに。


私はただ頑張っていただけなのに。






私が全部悪いの？







そう言おうとして私はその言葉を胸にしまった。


だって、私に言う権利はないんだもん。


一線を置いた今、本当に一生懸命に頑張ってたって言えるの？









……あれ？私、なんでテニス続けてんだっけ？もう１位になったのに、なんでテニス続けてんだっけ？

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