黄瀬君、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？２

３８　失望　 ページ9

まあ、結局はこんなもんでしょ？



綺麗な学園ドラマが実在する訳ないんだよ。





この日、私はすべてに少なからず失望した。



綺麗事を言う担任に、

周りを見ない女子たちに、

世間体を気にする教頭に、



自分だけが悲劇の主人公だと思い込んでる斉藤君に。



勧善懲悪なんてただの空想でしかない。


みんな結局は自分のことしか考えてないじゃんか。




そんな人達に本音で話したってどうせ他人の戯れ言にしか聞こえない。



だったら、


そんな世界ならもういっそのこと本音なんか使わない。


私も表面だけの付き合いをする。



そう決めたのは憎たらしいくらいに晴れた初夏の日だった。



そして、




それから私はすべての物事に対して少し一線を置いて見ることしかできなくなった。









でも、その日一番失望したのは、

いつまで経っても幼く拙い無力過ぎる自分に対してだった。

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