黄瀬君、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？２

５１　ナンパ ページ22

数週間後



私はまた街へ買い物をしに行き、黄瀬君と会ったあの日と同じ場所を呑気に闊歩していた。



そう、声をかけられるまでは。






｢ねぇ、キミかわいいね〜

これから一緒にカラオケ行かない？｣



なんでまたナンパされてるの？


クソ、呪ってやるデジャヴめ。


カラオケは好きだけど。



つか、なんで私ごときがナンパされるんだ？



……はっ!!もしや、みんなで私をからかっているんじゃ…


うん、絶対そうだな。


『ブスをナンパしたらどんな反応をするのか実験してみた！』


的なやつ。



うわぁお、我ながらナイスな推理だと思うんですが…




でも、自分で想像した割に結構傷つくな。


｢あの…私これから友達と会うんで｣←(嘘)



｢えー、じゃあオレらと合コンしようよ〜。


何人いるの？｣

しつけぇ…こいつら。しかも誰がするか、合コンなんて。


ブスな私が相手にされるわけないのに。


行ったってどうせ自分の醜さを再確認するだけなのに。



ああもういいや、最終手段に出ようと思う。




｢あ、友達が来たんで｣



そう言って誰もいない所を私が指差すとナンパ野郎もそっちを向いた。


そして私は次の瞬間、




足の筋肉をフル活用し地面を蹴ってナンパ野郎から距離を勢いよく取り始める。






まあ、簡単に言うなら、







逃げ出した。








でもそれで見逃してくれるはずがなく、



ヤツらも走り出した。


私とナンパ野郎との(鬼と逃げる人の人数が逆転した)鬼ごっこが始まった。





だがしかし、追いかけてくる人は少なく、すぐに巻くことができた。

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