黄瀬君、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？２ (ページ19)

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４８　チームメイトページ19

｢よぉ、さっきぶりじゃねぇか…｣

その声が聞こえた瞬間緑間君の表情が厳しくなり、視線を上にした。

｢…火神｣

重々しく開かれた口から出た言葉につられて私も上を向いた。

｢火神君？｣

なんでこの人達はいきなり登場するんだ？

普通にできないの？今流行りなの？

｢おーおー、恐いね～。なんでいきなり喧嘩腰になっちゃうのかね｣

急に隣から声がした。

｢ん？気付かなかった？さっきからいたんだけどなぁ…

もしかして、オレってカゲ薄いのかな？｣

高尾さんがそこにいた。

気づかなかった……いつの間に移動してたんだ？

でも

｢黒子君ほどじゃないと思いますよ｣

｢僕がどうかしたんですか？｣

｢うなぁっ!?｣

｢よ！さっきぶり｣

｢はい、ついさっきぶりですね。高尾さん｣

いたのを忘れてた。

やっぱりカゲが薄いNo１は黒子君である。

｢にしても、いいねぇ～

こんなにかわいいマネージャーさんがいて｣

｢渡す気はないですよ？｣

｢えー？｣

｢彼女はウチのマネージャーと同時に大切なチームメイトなんで｣

｢ちぇー…｣

う、うれしいことを言ってくれるじゃない…！

｢まあ、今は諦めるけど…もし気が変わったらウチに来てね？｣

今もこれからも変わらないんですけど…

｢その確率0.000001％くらいですよ？｣

｢ひっく！厳しいね～…Aちゃんは｣

黒子君が私のことをチームメイトと認めてくれるんだったら…

｢高尾？なにをしているのだよ。

そろそろ集合時間になるから急ぐのだよ｣

私はチームを離れる訳にはいかない。

誰かが私をチームメイトと思ってくれてるなら、

例えそれがたった１人でも私はチームを離れない。

あの中学の３年間を私は繰り返したくないんだ。

｢おー。まあ、そういうことだからまたねー。

はい、これオレのメアド。何かあったらメールちょうだい？

ま、彼女になりたいなら、いつでも歓迎するから｣

｢な、なりませんよ!?｣

｢何を騒いでいるのだよ。行くぞ。

またな、黒子……あと、笹ヶ峰もな｣

｢はい｣

そう言って私たちは緑間君と高尾さんと別れ、誠凜に戻った。

このとき私は

なぜ、緑間君が私のことを呼んだのか…

私はそんな疑問に気付きはしなかった。