黄瀬君、あなたは私にとって……なんなんでしょうね？２

４３ 屋上宣言 ページ14

そのまま私は何もすることもなく誠凜を受けた。

別に勉強なんて少しやればみんなに追い付いた。


動機？ただ制服が可愛かったから。



あと、早くあの町から離れたかった。




足のケガも３年の冬には治った。



でも、虚しい。


動こうとすると完治したハズの足が鉛のように重くなる。



私は何をしたいんだろう？



自分のやりたいことはいっぱいあるのに、やるべきことがわからない。





探しても、捜しても、見つからない。







そんなとき、あの屋上宣言を聞いた。



まっすぐで、凜としたあの声が青空に響いた。


その声には嘘や邪念なんかは感じられず、ただ本当に一生懸命なんだって思った。





いつかのがむしゃらに頑張ってた私と重なる。









あぁ、そっか。




私、ただ何も考えずに一生懸命に、


無我夢中でテニスをしてたからあの頃がすごい楽しかったんだ。



だから私はテニスを続けてたんだ。









私が探していたのはこれだったのかもしれない。やっと見つかったような気がした。








でも、女子バスケ部が誠凛にはない。



しかも私は激しい運動もできない。





ならさ、だったらさ、

『マネージャーは？』

そう思って私はリコさんのところへ走った。


そのときは不思議と足は軽かった。

４４　　感謝→←４２　　存在意義

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す