喜んで-Twenty-third‐《あんスタ》

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「でもさーね？私の経験からすると追う立場ってのはツラいんだよ？」


「今もツラい」


「でしょ？実らない恋なら私は選ばない」


「お母さんにはロマンが足りない」


「あんたはもう少し現実見なさい。私もお父さんに追い回されてきたけど、なんやかんやですっごい幸せだよ？」


「なんで？」


「お父さんは私を裏切らないからねぇ。いつも自分の事を考えてくれる相手が傍に居るのって、本当に居心地の良いから」


「お母さんもお父さんの事好きだったんでしょ。どーせ」


「後半からね。前半は喧嘩の嵐！」


「よく仲良くなれたよね…」


「ホントね！一時期は殺したいくらい嫌いだったな〜」


「こわ…」


「でもまぁ顔も良し、面倒見もいい！だんだん好きになるよねぇ」


「そんな感じなのか…」


「あんたも私を見習いなさいっ」


「遠慮しときまーす」


「あーあ、言ったなー」


「お母さんにはお母さんの幸せ、私には私なりの幸せってのがあるの」


「それが泥沼にハマるような生き方じゃ、幸せとは言えないんじゃないの？」


「いーの。泥沼だろうがドブだろうが。あの人と一緒に居られればそれで」


「その固い決心はどっから生まれたの…！」


「愛です」


「信じらんない」


「だろうね」




母の冷たくも困った目が私を見つめる。
相当心配なんだろうね。


そういうところ好きだよ私。






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