喜んで-Twenty-second-《あんスタ》

story118 ページ19

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「やー！待って無理無理！！」


「はーい、頑張ろー」


「ううっ…」




凛月が私の腕を触る度に
ゾクゾクが全身に伝わる。




「これいつ切れるんだろーね」


「やば、無理…！」


「涙目じゃん」


「気持ち悪いぃぃ…」


「どんな風に？」


「体に電気ショック流されてる感じ！」


「わー、やだねぇ」


「もう止めよう…ね？！」


「もっと頑張るー」


「はい！？」




凛月が私の二の腕に噛み付いてきた。




「わぁぁいいやぁあ！！だめだめだめ！」


「二の腕っていいよねぇ」


「いいよねぇじゃない！止めて無理！！頭おかしくなる！！！」


「今更でしょ？」


「頭突きされたいのっ」


「やーだ」


「あぁっ、もー」


「んー…このまま進もっかな」


「え！？」


「俺も正直になりたいしねぇ」


「なに！？」


「A、やらせて」


「…はぁぁあ！？」


「ね？」


「ね、じゃない…。浮気だよそれ…」


「知ってる」


「なんで…」


「後で教える」


「凛月っ！」


「A」


「っ…」


「ふふ、大丈夫…何も考えなくていいから」


「考えるよ…だって…」


「ラストチャンスかもしれないよ？」


「う…やだよ…そんな事言わないで」


「俺の事が好きなら、今だけAの俺になってあげる」


「…」


「ね？」




凛月は良心でそう言ってくれてるんだよね。
でも私には別れの意味でしか伝わってこない




「…いらない」


「えっ」


「私の凛月は、そんな事言わない…」


「A…」


「凛月に、会いたいよ…」




ポロッと零れた全部の言葉。
ずっと思って来た私の思い。


貴方が凛月だとしても、
私が愛した凛月には程遠い…




「…Aが好きな俺って、どんな？」


「意地悪で…私の事貶すけど、最後はちゃんと愛してるって、言ってくれる人…」


「…」


「居なくなっちゃったの…もう」


「はぁ…」


「大好きだよ…」


「ふふ、その言葉が俺じゃない俺に向けられてるって思うとムカつくねぇ」


「…」


「俺もAの事大事に思ってんだけどな…」


「！」


「ま、妻持ちの奴から言われても説得力無いのは分かってるけどね」


「っ…」


「言っとくけど、Aを忘れた事なんて1回もないから」


「凛月…」


「ふふふっ、俺の方が未練タラタラじゃん」


「…ふふっ」






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