story72 ページ23
***
「撮影は」
「さっき終わった〜。岡島さんに聞いたらココじゃない？って言われたから来たの」
「そうですか。でも私今から帰るんで退いて下さい」
「なんで？」
「疲れてるんです」
「そ〜なんだぁ。可哀想に」
「…何なんですか」
「それこっちのセリフ。何なのお前」
「…」
「教えてよ」
「あなたに教える事なんて無いです」
「怖いの？俺が」
「全く」
「ふふ、強がるとこも同じとか…」
「…本当に退かないとキレますよ」
「おー、怖い怖い〜」
凛月は足を組み、
その場でクスクスと笑う。
ちょっとだけその笑顔に懐かしみを感じる
あー、バカな私。
ホントバカ。
「凛月さんも帰ったらどうです…」
「帰るよ？お前との話が終わったらね」
「だから、話す事なんて何にも！！！」
「目、逸らしてんじゃん」
「っ！」
「俺だってそこまで馬鹿じゃない。それ1番分かってんのお前でしょ」
「…」
「嘘、下手くそになったねA」
「…呼ばないで…」
「A」
「私の名前呼ばないで！！！！」
「…」
「呼んで欲しくない…呼ばないで…」
「はぁ…」
「！」
俯いているといつの間にか
目の前に凛月が居た。
「っ…」
「ねぇ」
「…」
「会いに来たんでしょ。俺に」
「違っ、」
「違くない」
「…」
「俺はお前だって気づいてた。ベンチで酔っ払ってたお前の血飲んだ時から」
「う、そ…」
「吸血鬼舐めないでよ？血が誰のものかくらい覚えてる」
「…」
「ずっとお前が自分の事言うまで待ってようと思って、気づかないフリしてたのにさ…」
「っ」
「過去の私を軽々しく語らないでー。だっけっか？あんな事言われたら黙ってらんないでしょ？」
「なんで…」
「お前の事は全部知ってるのに、その俺に対して軽々しくとか酷いなぁ」
「やっ…」
「拒むな」
ふわっと香る私の大好きな匂い。
ずっとずっと、待ってた。
ずっと、こうしたいって。
いつも願ってた。
「うっ」
「あれ、こんなに小さかったっけ…ふふ」
「はぁ…っ…」
「お帰り」
「っ！」
ただその言葉を聞いただけなのに。
真緒にも言ってもらった言葉なのに。
ぐちゃぐちゃになるくらい、
涙が溢れて零れて…
止まらなかった。
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ちび - 最高です！ 続きが楽しみです！頑張って下さい (2016年11月20日 16時) (
レス) id: b57152f228 (このIDを非表示/違反報告)
蘭(プロフ) - ロキさん» 応援してます！この小説が好きすぎて気づけばテスト週間の日まで見てました 笑 そのくらい大好きです！ (2016年11月15日 16時) (レス) id: d50daacee5 (このIDを非表示/違反報告)
白玉だんご(プロフ) - 凛月と主人公ちゃんがどうなってくのかとっても気になっちゃいます(´・ω・｀)更新楽しみに待ってます！ (2016年11月15日 6時) (レス) id: ba60e0b4c2 (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - ロキさん» 今回もとても素晴らしいです……！更新頑張ってください！応援してます！ロキさんの作品大好きです(´；ω；｀) (2016年11月14日 22時) (レス) id: 8ee7cf5d7a (このIDを非表示/違反報告)
ロキ(プロフ) - 蘭さん» コメントありがとうございます！頑張って更新しますね！！ (2016年11月14日 22時) (レス) id: 17622c5bd0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ロキ
| 作成日時：2016年11月9日 19時
