四十五話 運命論者の悲み ページ46
______朝
敦が探偵社へ向かうため、身支度をしているとき。
突然大きな爆発音が聞こえた。
「(爆発……?まさか!)」
敦は焦って身支度を整え、急いで寮を出発しようとする。
しかしドアを開けると、ドアの前にはAが立っていた。
「Aちゃん!?」
『おはよう敦くん。さっきの爆発音聞こえた?すごかったね〜!』
「う、うん。聞こえたけど…(すごかったで済ませていいのか?)」
Aの爆発音への反応は、敦とは大きく異なっていた。
「(探偵社だし、慣れなのかな?)
……あ、そうだ。僕、社にいく前にちょっとだけさっきの爆発見に行こうと思ってるんだけど…」
『お、いいね!』
敦が言うと、Aも賛成し、一緒に見にいくことになる。
現場に着くと、そこには人が数人集まっており、さっきの爆発について話していた。
「皆殺しだッてよ」
「非道い……」
「軍警が言うには、マフィアの武闘派、その中でも凶暴な実働部隊【黒蜥蜴】って奴らの仕業だって」
「特殊部隊なみに戦闘術を持ち、しかも恐ろしく残酷だとか……」
その言葉に、敦は顔を青ざめさせる。
「マフィアの武闘派【黒蜥蜴】……」
『やっぱり黒蜥蜴かあ…。派手だよね〜』
「!Aちゃん知ってるの?」
『うん。大体はそこの人たちが言ってる通りかな』
Aのその言葉に、敦は表情を暗くした。
「(もしそんな奴らが事務所になだれ込んだら……)」
そして敦は、何かを決意したようにAに声をかけた。
「Aちゃん、ちょっと行かななきゃいけないところがあるから、先に社に向っておいて」
『!…わかった!ただし、敦くん、あんまり一人で抱え込んじゃダメだよ』
「!…うん
(敵わないなぁ、Aちゃんには)」
Aは何かに気づいたようだったが、問い詰めることはなかった。
そしてAと敦はその場で別れたのだった。
『(まあ、敦くんが考えたことだし、やるだけやってみたらいいよ)』
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作者名:ark | 作成日時:2021年1月4日 18時