ボカロ曲を小説にしてみた〜第１弾〜

罰ゲーム　-遊楽リクエスト- ページ46

「ふふ、次はレンの番だよーん」
「ちっ…」

負けそうなレンは、顔を歪めて舌打ちをする。
私は余裕で勝ちそうなので、にやにやと笑いながらレンを見つめる。

「…罰ゲーム、何すんの」
「ん？レンが嫌がりそうなこと」

昨日は私の負けだったけれど、今日は圧勝しそうな気配。
だからこそ私は、強気でガンガン攻めていく。

「昨日は簡単に負けたくせに」
「うるせぇよ。早くして」
「黙れよ、考え中だ」
「考えたって無駄よ」
「――……はい、Aの番」

そう言って、レンは突然にっこりと微笑んだ。
よっぽど自信があるらしい。

「ゆっくりどーぞ」
「はいはい、そんなに急かさないでね」

私は、こいつに勝たなければならない。
だから、こんな挑発には乗ってはいけない。

「……はい、レンの番」
「かかったな」
「はぁ？」

私は自分の手元と、机上のカードを見る。

手元には１枚の数字カードと、ドローのカード。
机上にあるのは、私が今置いた黄色の３。

何か、罠があったというの？

「何でもないよ。さぁ、僕の番だ」

相手を罠にかける、頭脳プレーが得意のレン。
上手くいきそうな時は敬語になったり、一人称が「僕」になることが特徴。

つまり、この状況は――…

「はい、Aの番――は、終わりっと」
「…ちっ」

レンが笑顔で置いたのは、スキップ。
つまり私は、一度飛ばされる。

「んで、黄色のリバース」

二人でやっているから、リバースをするともう一度レン、ということになる。
このままでは、私の番が来ない――？

「はい、黄色の２。Aの番だよ？」
「…ないわ」
「んー？何がないの？」
「出せるカード！」

少し強く言って、山札から新しいカードを取る。
運よくそれはワイルドだった。

「はい、ワイルドで、赤」
「赤、ね」

これで、私の手持ちカードが赤だということが、バレてしまった。
けど、言わないとワイルド出した意味がないし。

「はい、ワイルド・ドロー・フォーで黄色」
――私は出すカードがない。
「黄色のリバース」
――私の番は飛ばされる。
「で、黄色の５。おしまい。」
――レン、最後の一枚。

笑顔で、両手を振ってみせるレン。
――今日も、私の負けだった。

「さぁ、今日は何をしてもらおうかな」
「……はぁ」

笑えねぇ。


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