嗚呼、素晴らしきニャン生 ページ5
ああ、今日も来たわ…あの人が。
「こんにちは、Aさん♪今日こそ、僕と一緒に街を歩きません?」
「はあ…毎日まいにち、ご苦労様ですこと」
「街は楽しいのですよ?」
「もうッ、何度言ったら分かるのかしら!」
私は少し身を引き、窓を閉めようと手をかけた。
「私は外は嫌いよ!」
「そんなこと言わないで…一度でいいから、出てみませんか?」
「嫌よ」
「どうして?貴女を縛る首輪だって、数秒で噛み千切って差し上げますよ?」
「やめて!」
今度こそ顔をゆがめ、窓の隙間を少し狭くした。
「このブランド首輪の価値が分からないの?」
「ブランドだろうが安物だろうが、首輪は首輪。僕たちを縛るものに変わりはありません」
「縛られているのではないわ。これはおしゃれなのよ」
「確かに、貴女が首輪をつけている姿は素敵です」
私は静かに彼を睨んだ。
またそうやって、調子の良いことを言って!
そんな言葉じゃあ、私は惹かれないわよ?
「とにかく私は、外には出ないから」
「待ってください!ニャン生は一度きりなのですよ?貴女も外の世界を知れば、楽しまなければ損だということが分かりますよ!」
「だって、楽しいもの」
「え?」
彼はキョトンとした顔で、間抜けな声を出した。
ふーん…こんなカオもするのね。
「今の生活、楽しいわ。飼い主も優しくて可愛いし」
「…街にも、可愛くて優しい人間はいますよ」
「それに、シャワーだって毎日浴びれるわ」
「…街にも、水道や噴水はあります」
「ねえ、ニャン生はね、そんなに簡単に変えられるものじゃないのよ」
私はそう言って、ひらりと回って見せた。
「ね?いいでしょ、私の生活だって素敵なのよ――って、ねえ!」
私が折角話してあげているというのに…突然身を翻して。
失礼にも程があるわ!
「そろそろ仲間との待ち合わせの時間です。では、今日はこの辺で」
「待ってよ、話の途中よ?…ねえ、レンさん!//」
彼は黒い耳をぴくりと動かし、こちらを見た。
…名前なんて、初めて呼んだかしら…?
「明日もここに、来ていいのよ?……話を、聞いてあげるから」
「…それは光栄です。僕も、貴女のことをもう少し知りたい」
「…仕方無いから、話してあげてもいいわ」
彼は来た時と同じように微笑み、耳と尻尾をゆらゆらと揺らしながら、闇の中へ消えていった。
――あの人と話すのも、悪くない…かしらね。
END
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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おみくじ結果は「末凶」でした!
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あか(プロフ) - 阿修羅 時雨 恋輝叶さん>まっちゃアイスさん>こちらの小説はもう完結しています!なので、続編の方に改めてコメントお願いいたします;; (2012年7月23日 19時) (レス) id: 537650310a (このIDを非表示/違反報告)
あか(プロフ) - 雷世>まじかよ・・・1位とか私100年かかっても無理だわww バーチャル少女さん>神じゃないですよ紙ですよww 続編、今のところ作る予定ですー! (2012年6月30日 20時) (レス) id: 537650310a (このIDを非表示/違反報告)
雷世(プロフ) - 学力テストは10位以上でおk何だけど期末は1位じゃないとというね・・・(´・ω・`)つか今度から全教科85点以上取らないと買ってもらえないという仕打ち・・・ (2012年6月29日 21時) (レス) id: b8f8948618 (このIDを非表示/違反報告)
あか(プロフ) - 雷世>あれ、10位はだめなんだっけ!?てかうちの学校、学年順位とかまだ出てないんだが・・・成績出たら出るかなぁ (2012年6月29日 20時) (レス) id: 537650310a (このIDを非表示/違反報告)
雷世(プロフ) - どっちもあったよーな・・・← あ、学年順位10位でゲーム買い損ねた\(^o^)/ (2012年6月29日 19時) (レス) id: b8f8948618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あか | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akanekazemaru
作成日時:2012年2月20日 20時