ボカロ曲を小説にしてみた〜第１弾〜

私の時間　-∞愛信五∞さんリクエスト- ページ33

「マスター、ハジメマシテ！」

たどたどしく、私はマスターに教えられたコトバを喋る。
今日は初めて、私だけのマスターと出会った日。

「ハツネみくデス、よろシクネ！」

お話しするのはちょっとへたくそだけど、それもアナタの調教次第。
上手に歌って上手にお喋りして、目指すのはスーパーアイドルよ☆

「la〜la〜la〜la〜♪」

ほんとはもっと、マスターとお喋りがしたいの。
だって、私のマスターなんだから、どんな人なのかとか、知りたいもの。

でも、私にはできない…
マスターに教えられた、マスターが教えてくれたコトバしか、私は喋れないから。

「マスター、だいスキでス！」

喋らせるのもいいけれど、もっとたくさん歌わせて？

どれだけ上手になったって、所詮機械は機械。
きっと、人間(ヒト)には勝てない。
でもだからこそ、できることってあるんじゃない？

例えば私のマスターみたいに、好きだとか愛してるだとか、何でも言わせちゃったりして！

「マスター、おハよう♪」

『初音ミク』は、世界中に数え切れないほどいる。

でもね、私はアナタだけの『初音ミク』なの。
そして私にとってのマスターは、アナタだけなの。

だからね、もっともっと私を歌わせて！
他の『初音ミク』に、負けないようにね♪

「今日もおシゴト、がんバってね」

最初は顔も声も一緒な私達だけど、全然違うんだよ？
育ての親が違えば、性格だって声だってちょっとずつ違うの。

だからマスター、私をもっともっと可愛くして！

「ますたー！」

いつまでも、ずっとずっと。
私だけの時間を大切に。

「ねぎ、ちョうだいっ♪」


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