ボカロ曲を小説にしてみた〜第１弾〜

会いたい　-ひよりリクエスト- ページ4

『ねえ、今から会いたいな』

カコカコと、レンへのメールを打った。
しかし送信ボタンを押す前に、思いとどまって全て消去する。

「はぁ・・・」

結局、打つメールは『どう？元気にしてる？』という何気ない一言だった。
しかしそれさえも向こうからしたら面倒なのかなとか考えてしまって、やっぱり消去する。

ねえ、この気持ち、どうしたら君の心に届くのかな？

「そりゃあ言わなきゃ、届かない、よね…」

分かってる。
こっちからは何も言わないのに、向こうからは「好きだ」とか言ってもらおうなんて、虫が良すぎるってこと。

それでも、言えなくて、言って欲しくて、苦しくて。
ねえ、私、どうしたらいいんだろう…？

『そっちは今、どんな感じ？』
『上手くやってるよ』
『そっか！ 良かったね^^』
『そっちはどう？』

「…『元気だけど、君に、会いたいよ』」

なんて――…

「言えないよ……」

実際は文字にするだけで声には出さないのだけれど、それでも、一度送信してしまったらメモリの中に残ってしまう。

もしそれに対して、悪い返信が来たら？
それも、私の携帯のメモリーに残される。
きっと忘れられなくて、いつまでも私の中に居座ると思う。

それが怖くて、私は、いつまでも行動ができないんだ……

結局それに対しての返信は『こっちも元気でやってるよv(^o^)v』だった。


例えば、『どんなに離れてても、俺にはAだけだよ』とか。

そうして私を元気付けてくれる言葉。
それがこの耳で聞けたら、どれだけ嬉しいだろう。
だけどそんなわがままを言ったことはなかった。
だってそんなことを言ったら、嫌われてしまうかもしれない。

嫌われてしまうのは怖い。
会えないことよりも、怖い。

『私にも、レンだけだよ』

だからこうやって返すしかなかった。
ひとつも嘘は混じっていない。
ただ、少し、本当の気持ちを隠しているだけ…。

「それで、いいんだ」

伝わらなくて当たり前。
それでも、いつか伝わると信じて。

『今日は球技大会があったんだよ〜＞＜』

そんな、小さな日常を語ってみる。
それに対しても君が、優しく応えてくれるから。

「だから、いつまでも、諦めがつかないんだろうなあ・・・」

きっともう、会えないのに。
なのにずっと、レンを想い続けていられる理由は、きっと。

あの日交わした言葉の魔法。

「「好きだよ」」


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嗚呼、素晴らしきニャン生→←スキキライ　-遊唄リクエスト-

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