ボカロ曲を小説にしてみた〜第１弾〜

リンリンシグナル　-遊楽リクエスト- ページ30

「9時50分・・・」

待ち合わせの時間は10時で、きっとレンは５分は遅刻するだろうから、あと15分は待つかもな…
いっつも15分とか20分待たされるんだから、私も学習すればいいのにね(笑)
まあ、それでもレンが早くくるんじゃないかって期待してるから、こんなに早く来ちゃうんだけどさ。

ちょっと、悔しいかも。

「レン早く来ないかなあ・・・」
「いつも遅くてすいませんね」
「わあっ！？」

後ろから突然声をかけられて、思わずびっくりしてしまった。

「レンっ！」
「今日はいつもより早いだろ？待ち合わせぴったりだぜ！」
「私は、10分前に来てるもんっ」

ちょっと怒ったように言ったけれど、えへんという効果音が似合うような格好をするレンが可愛くて、思わずにやけてしまいそうになる。

「Aはいつも早すぎんの。なに、そんなに俺に会いたいの？」
「はぁッ！？そんなわけないじゃん！///」

嘘。
その通りですよ！

でも、そんなこと言ったら私ばっか好きみたいで悔しいから、言わない。

「素直じゃないなー。ほら、行こうぜ」
「素直じゃないのは、レンの方じゃん…」

そう文句を言いながらも、レンの手を握る。
そして、歩き出す私達。

「俺は十分素直だよ？」
「じゃあ、私のこと好きじゃないんだ？」
「は？何でそうなんの？」

レンはきょとんとした顔で私を見る。
可愛いけど…許してあげない。

「だって、好きとか、言ってくれないじゃん」

好きって言ってくれなきゃ、許してあげない。

「…はあ？……言わなきゃ、いけないわけ？」
「うん」

即答。
だって、言ってほしいもん。

「…………好きだよ」
「だめ！」
「何でだよっ！？；」

そんなに嫌そうな顔と声じゃあ、だめっ！

「〜〜〜っ……」
「私はレンが好きなのに…レンは？好きじゃないの？」
「だーかーらーっ……」

その時、突然腕をぐいっと引っ張られた。
そしてそのまま――…

「んっ…！？」

唇が、重なった。

「――好きだよ、A」
「……レン……」

照れたように、それだけ言って目を逸らすレン。
ああもうっ……かわいい！！

「大好きだよー、レンっ！」
「何だよ、うるさいってば！暑いし！//」

そう言うけど、繋いだ手は離さない。
そんなところも、大好きよ？

「こら、やめろってば！」
「やめませぇ〜ん♪」

これからも、私のシグナル、見逃さないでね？
見逃したら、お仕置きなんだから♪


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