ボカロ曲を小説にしてみた〜第１弾〜

スキキライ　-遊唄リクエスト- ページ3

「Aっ♪」
「ふゃあ！」

後ろから突然名前を呼ばれて、思わず肩を震わせた。
振り返らなくたって、声で分かる。

「レンッ！」
「もう、先に帰るなってあれだけ言ったのに…」
「何でアンタと一緒に帰んなきゃいけないのよっ！？」
「だって、言っただろ？俺はAが好きだって――」
「うるさい、来ないでっ！//」

顔が赤くなっていることを隠すように、きびすを返した。
何度言われたって、付き合えないものは付き合えないと思う。

だって、まだ、１４歳だし…！
好きだスキだって言われたって、わかんないもん//；

「ねえ、Aってば！」
「わっ、何でいるの！？」

もう振り切ったと思ってたのに！
ていうか、来ないでって言ったのにΣ(゜Д゜;)

「何でって言われても……愛？」
「顔キモい氏ね」
「ごめん嘘愛してるのは嘘じゃないけどしねとか言わないでAちゃ」
「…あ」

最後まで聞かずに、一つのお店の前で立ち止まった。

…綺麗な指輪。
こういうものを、将来、もらったりするのかなあ。

するとレンも立ち止まった。
そして思い出したように、「あっ」と声を出して鞄をあさる。

…何？また何か企んでるの…？；

「はいっ、A！」
「えっ？」

渡されたのは、小さな箱。
その表面には、あたしが今の今まで眺めていたお店のロゴが入っている。

……って、え？えっ？？

「え、えっ」

あたしは慌てて、箱を開けた。

――見間違えるわけがない。
あたしが毎日、お店の外から見つめていたローズクォーツの指輪だった。

「これ…！」
「欲しがってたろ？なあ、勿論、結婚してく――」
「ばかじゃないの！///」

結婚なんてずっと先じゃない！///
馬鹿だよバカ、ほんとにばか…！

「……ねえA、でもそれ、押し返したりは――しないんだ？」
「…ッ！！////」

……分かってる。
あたしだって、コイツ…こんな奴だけど、実は優しいってこと、分かってる。

だから…こんな素敵な贈り物を押し返したりするほど…あたしはレンを、嫌いじゃない。

「もらってあげるだけだから！別に、結婚はしないからね！//」
「ふーん？まあいいよ、いつか絶対、愛してるって言わせてみせるからなっ♪」
「……言わないしっ」

…負けたみたいになっちゃうから…絶対言わない。
でも、言わないから嫌いとかじゃなくてね？

実はずっと。あたし、あなたに。
――コイシテル。


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