ボカロ曲を小説にしてみた〜第１弾〜

カナシキヒステリックガール ページ11

「……はあ」

今日も私は、レンと、その隣のミクを見てため息を吐く。
優しい笑顔。私には向けられていない笑顔。
でも、私にも向けることがある笑顔。

ねえ、何であなたはそんなに優しいの？
どうして私を見てくれるわけじゃないのに、笑顔を向けてくれるの？

「何なのよ、もう！」

こんなに好きなのに、こんなに抱きしめたいのに。
それなのにあなたは、私のモノではないんだわ！

「私が、ミクだったら良かったのに……」

そうやって毎日あなたを見つめる。

もしも私があのコだったら。
もしも私に魔法が使えたら。
もしもあのコよりも早く、あなたに会えていたら。

そうしたらあなたは、私を見てくれた？

「意味のない『もしも』を考えるくらい、あなたが好きなのに…」

それなのに伝わらない、伝えられない気持ち。
これより悲しいものがあるかしら？

「私はレンが好きだから、シアワセになって欲しいと思うわ」

でも…レンのシアワセは、ミクのシアワセでしょう？
そんなこと、祈れるわけないじゃない！

なんて悲しいのかしら。
好きな人の幸せを願えないなんて。

「だからその分まで、私は歌うわ」

届かなくても。
届くわけがなくても。

それでも私は、あなたを想い続ける。

「だって私は」

悲しきヒステリックガールだもの！


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メランコリック→←からくりピエロ　-浪野郁音さんリクエスト-

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