カゲロウデイズ -1- ページ1
「今日も暑いねえ・・・」
「そうだね。私、やっぱり夏は嫌いかな」
病的に強い日差しの中、君は言った。
その日が僕の、悪夢の始まりだった。
――8/15PM12:32――
「その猫、可愛いね」
「…私はこの子が大嫌いなんだよ。夏と同じようにね」
「え?」
僕がそれはどういうことかと尋ねようとした時、猫がするりとAの膝の上から降りて、道路の方へ走った。
信号は赤だった。
「…っ、Aッ!!」
僕の視界の中で、Aが真っ赤に染まった。
Aの体から溢れ出た血と、真っ青な空と、アスファルトの上の陽炎と、鳴き叫ぶ蝉の声とが混ざって、僕は意識が遠くなっていくのを感じた。
Aは、8月15日の午後12時35分、トラックに轢かれて、死んだ。
――8/14AM12:01――
「…………」
僕はベッドに横たわっていた。
ん?
あれ…?どういうことだ?
僕は、痛む頭を叩き起こして記憶を搾り出す。
確か…Aが、死んで。
真っ青な空と、その視界を遮るような陽炎が見えて。
僕は慌てて飛び起き、枕元の時計を確認した。
8月14日の午前12時、つまり零時だった。
……夢、か?
あの悪夢のような出来事は、まさに悪夢だったのか?
僕は昼になるのを待ち、あの公園へ向かった。
――8/14PM12:03――
Aは生きていた。
真っ青な顔をした僕を見て、不思議そうに首を傾げた。
僕は胸を撫で下ろすのと同時に、あの悪夢を思い出した。
「もう、今日は帰ろう」
「何言ってるの?今会ったばかりじゃない」
「いいんだ。今日はだめだよ」
「待ってよ、ねえ…!」
Aがもっと僕と話したいと思ってくれていることは嬉しかったけれど、それでも僕は彼女の腕を引いて公園を出た。
しかしその時、何か異様だということに気づいた。
周りにいたカップルや親子連れや社会人や――とにかく人間が、全員上を見上げ、目を見開いて、口を開けていた。
その瞬間、僕の後ろにいた君に、落下してきた鉄柱が突き刺さった。
「あ、あっ……」
悲鳴も上げずにこの世から消えていくA、周りの人間の悲鳴、嗤っているように見える陽炎。
僕の視界はまた眩んでいった。
その時、僕が最後に見たものは、陽炎と、黒猫と、Aの横顔だった。
「A…?」
朦朧とした視界の中、彼女の横顔は、微笑んでいた。
つづく
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あか(プロフ) - 阿修羅 時雨 恋輝叶さん>まっちゃアイスさん>こちらの小説はもう完結しています!なので、続編の方に改めてコメントお願いいたします;; (2012年7月23日 19時) (レス) id: 537650310a (このIDを非表示/違反報告)
あか(プロフ) - 雷世>まじかよ・・・1位とか私100年かかっても無理だわww バーチャル少女さん>神じゃないですよ紙ですよww 続編、今のところ作る予定ですー! (2012年6月30日 20時) (レス) id: 537650310a (このIDを非表示/違反報告)
雷世(プロフ) - 学力テストは10位以上でおk何だけど期末は1位じゃないとというね・・・(´・ω・`)つか今度から全教科85点以上取らないと買ってもらえないという仕打ち・・・ (2012年6月29日 21時) (レス) id: b8f8948618 (このIDを非表示/違反報告)
あか(プロフ) - 雷世>あれ、10位はだめなんだっけ!?てかうちの学校、学年順位とかまだ出てないんだが・・・成績出たら出るかなぁ (2012年6月29日 20時) (レス) id: 537650310a (このIDを非表示/違反報告)
雷世(プロフ) - どっちもあったよーな・・・← あ、学年順位10位でゲーム買い損ねた\(^o^)/ (2012年6月29日 19時) (レス) id: b8f8948618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あか | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akanekazemaru
作成日時:2012年2月20日 20時