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34、恐怖と安堵 ページ34






推定(・・)2級。近くまで寄ると2級では無さそうな事がわかる。私でもわかるんだから相当だ。
邪気というか妖気というか、とにかく危険な感じ。




『気を付けてね。』




再び2人を見送って、帳が降りる前に外に出た。


自分は中で戦えない。中にいるだけで足手まといになる。
何もできないのは悔しい。ただ祈る事しかできない。






何も連絡が無いまま30分が経過した。

中で怪我してるかも知れない、入るべきか外で待つべきか。


……いや入ろう。もしかしたら危険な状況かも知れない。2人の姿が確認できたらまた外に出ればいい。


考えて考えて、帳の中へ入った。



またこの禍々しい空気と、前回の事がフラッシュバックして呼吸が出来なくなりそう。

でも2人に何かあった時助けてあげらるのは自分だけだ、しっかりしなきゃ。
もう誰も死なせないって決めたでしょ。




『…猪野くん!』

「Aサン来ちゃダメです、外にいて下さい。」

『でも怪我してる!』

「あと少しで祓えそうなんで祓い終わったら治療お願いします!」




そう言って猪野くんは走って行った。

猪野くんの走った方を見ると、遠くからだけど七海の姿も見えた。



猪野くんの言葉を信じて、外で待とう。




『あっ、』




さっきまで遠くにいた呪霊が目の前に。

あ、と声を出した時には遅い。



これは死んだ。痛いのは嫌だ、ギュッと目を瞑って耐えれることを願ったのに、

覚悟してた痛みは来なくて、代わりに力強く抱き寄せられて、ふんわりと嗅いだことのある匂いに包まれた。




「身ひとつで突っ込んでくるバカはアナタしかいませんね。
……おかげで祓えました、ありがとうございます。」




聞き慣れた声に目を開けると既に祓い終わったのか、呪霊は真っ二つに切られていた。





「怪我は無さそうですね。」

『…ごめん、足が震えて、』




死ぬと思って頭は真っ白だし
足が震えて腰が抜けて立っていられない。

抱き寄せてくれていた手が離されて尻餅をつきそうになる私を支えてくれた。




『死んだと思った、』

「あと1秒遅ければ死んでたでしょうね。」

『怖かった……』

「間に合ってよかったです。」




死ぬ恐怖からか、生きた安堵からか涙が出る。




「七海サーン!Aサーン!無事ですかー!
……ってどういう状況ですか!」




横たわる真っ二つ呪霊、泣いてる私を抱き寄せる七海。

猪野くんが混乱するには十分だろうね。




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さしす - とっても面白い!! 続きがきになる〜! 応援してます! (2022年5月26日 9時) (レス) @page49 id: 9bbdd85770 (このIDを非表示/違反報告)
- 作り込みエグいですね!いいなー! (2022年2月20日 14時) (レス) @page33 id: d826e852a9 (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - emiさん» そう言ってもらえてすごく嬉しいです!ありがとうございます。もうすぐ続編へと移行しますが、そちらでもどうぞよろしくお願いします! (2021年9月25日 11時) (レス) id: 1b6f6e5afa (このIDを非表示/違反報告)
emi(プロフ) - このお話の雰囲気最高に好きです…七海と夢主ちゃんとの距離感も自然で素敵、時間がゆっくり流れてる感じがして読んでいると心が癒されます…お身体に無理のないよう更新されてください!楽しみにしております! (2021年9月25日 0時) (レス) @page43 id: 9ba5ed02ee (このIDを非表示/違反報告)
くまこ(プロフ) - ぬぬ@とかげさん» コメントありがとうございます! (2021年9月15日 16時) (レス) id: 7ddd39ac99 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くまこ | 作成日時:2021年8月27日 14時

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