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*


さて、JKという超強敵が現れたわけだが。肝心の旦那は今日も私の作った夕飯をゆっっっくりと咀嚼し終えて、就寝しようとしている。そんなに不味いか。




「……ねぇ」

「……ん?」




夫の職業は公安だ。必要に迫られれば、対象の女とホテルで関係を深める…といったことも彼は簡単にこなしてみせるだろう。

だが、決して私とはそういう行為をしない。




「、……」




知らない女とホテル入ったでしょ?…と単刀直入に聞けたら楽なのだが。今後の関係が危うくなるため思わず口を噤む。

降谷は、何も言わない私から目を逸らそうとしない。


だから……思い切って、私は聞くことにした。







「私といるとき、…つまんない?」






予想外なことに、佐伯からストレートにぶつけられたあの言葉が胸に突き刺さっていたりしていた。

…ただでさえ不安定な夫婦生活なのに、他人からそう言われてしまうと尚更不安になってしまうものなのだろうか。



降谷は驚いたように目を見開いていた。
普段の私なら絶対にこんなこと言わなかった。

……それほどまでに、限界だったのだ。





「………ごめん。変なこと言って…
なんでもないから、忘れて」




彼からの返事はない。無言は肯定だとよく言うが、本当にその通りだ。これ以上待ったところで彼を困惑させるだけだろう。


席を立って、部屋に向かおうとドアノブを捻りかければ、





……ーーーーーーーー出口を塞ぐように、彼の片手が
開けかけていたドアを強く押し閉めた。





「………」




視界の端には、鍛えられた彼の片腕が見える。背を向けているせいで表情は全く見えないが、ドアについた手を離そうとする様子はない。





「…どうして、そう思うんだ?」





酷く優しい声だった。いつもよりずっと。

出口を失った私はただ俯くしかなくて。彼が珍しく本気で焦っていることに、少しも気付かなかった。

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HALO - お互い実力は認めあってますし大丈夫ですよ!!同じ似た境遇ですからきっと共有すれば乗り越えられる素敵な夫婦になれますよ♪♪ (2019年3月21日 0時) (レス) id: d6476dbe7d (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - HALOさん» そうですよね…!よいお友達になれそうです!きっと乗り越えられたら強い夫婦になれそうですね(´∇`) (2019年3月20日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
HALO - 降谷さんもきっと誤解を知ったら赤井さんといい関係築けそうですよね!!だから夢主ちゃんも乗り越えて降谷さんと幸せになって欲しいなぁと思います! (2019年3月20日 23時) (レス) id: d6476dbe7d (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - HALOさん» ごちゃごちゃしてまいりました…wそうなんです!降谷さんが赤井さんをはちゃめちゃに憎んでいるのと似ているような感じにしたかったんです(語彙力)憎すぎて毎日降谷さんのことばっかり考えてたらいいなあとか思っております (2019年3月19日 17時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
HALO - 複雑になってますねw降谷さんもライが自殺を止められなかった事に対して殺したいほど憎んでいるのと同じな気もしますね!!夢主ちゃんが好きになってるなぁって思うし紙一重なのでしょうか? (2019年3月18日 23時) (レス) id: d6476dbe7d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2019年3月1日 0時

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