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you side




「アメリカに来ないか」



突拍子もないその言葉に目を白黒させていれば
全身黒ずくめの男…の隣にいた金髪碧眼の女性が
「シュウはほんとに言葉足らずね」と呆れていた。






「…貴方の境遇はシュウから聞いたわ。
だから、FBIの監視下の元で
私達と共に働いて欲しいの」


「………は?」


「お前の罪は帳消しにはならない
だが償うことは出来るだろう」





(……そんな、都合のいい話)




「私は裁かれるべき人間よ。
…貴方達の元で普通に生きろっていうわけ?」

「勿論暫く監視はつくだろうが、害がないと
判断されれば一般市民とほぼ同じように暮らせる」







「………」





罰を受けるのではなく、罪を背負って生き続ける。

そんな虫のいい話があるだなんて
考えてもみなかった。果たして自分に
そんな資格があるのかどうか戸惑っていた。






(…彼らと、……彼と)





大掛かりな掃討作戦だったのだろう。
ベッドの脇にある椅子に腰掛けた
秀一の頭には包帯が巻かれている。

秀一が私を病院に運んだ時には既に気を失っていたので
それ以降のことはよく分からなかったのだ。




ーーーーーーー……FBIの元で働く。



それは日本という国を離れて、
アメリカの住民として生きていくことを意味する。








.









「………、…ねぇ…」





『……今まで…気付けなくて、悪かった』





「一つだけ、わがままを言わせて」









『………傍にいてやるから』







「ーーーーーーーー……きいてくれる?」







脳裏に彼の顔が嫌でもちらついてくるのだ。


私を探し出してくれた人。私の傍にいてくれた人。
私を、…暗いどん底から救い出してくれた人。







ーーーーーーーー…生きる意味を無くして途方に暮れた私を
強引に胸板に押し付けて、安心させてくれた人だ。









.

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ringo6349(プロフ) - 暫く占ツクを離れてましたが、久々てなさんの作品を読んで本当に良かったです泣 完結お疲れ様です&ありがとうございました!また降谷さんとの幸せな日々やジンに追われていた時の話などありましたら是非読みたいです!お体をお大事になさって下さい!好きが止まらない (2019年3月26日 21時) (レス) id: 66d3f8785b (このIDを非表示/違反報告)
いちごミルク(プロフ) - 完結お疲れ様です。面白かったです!! (2019年2月22日 21時) (レス) id: 74107eb362 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - BARAPIさん» ありがとうございます!お薬のおかげで順調に回復気味です…!ある程度元気になったら番外編書きたいな〜って思っております!ひぇぇ嬉しい……感激です(*゚▽゚)ノ (2019年2月20日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
BARAPI - お疲れ様でした!!体調大丈夫ですか?よくなったら番外編かいてくれると嬉しいです!!この小説も作者さんも大好きです! (2019年2月20日 21時) (レス) id: 281a5b8b80 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2019年2月16日 21時

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