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「あんな自分勝手で貴方にとっても
迷惑な奴がこれ以上Aさんに
近づくのは嫌なんです、だから…」


する、と頬を撫でられて身の毛がよだった。

それと同時にモヤモヤとした
自身の心の蟠りに首を傾げる。



「………少なくとも、君よりはマシだと思う」



思考より先に口が動いていた。

「…は?」と顔を顰めた彼は頬にあてていた手を
首筋に下ろしてゆっくりと撫であげてくる。



「貴方、言ってましたよね。
生命体の中で一番嫌いな男だって」

「それは否定しない」


間髪入れずに「けど」と彼の手から逃げて
縛られている両足をなんとか使いながら
ベッドの壁際まで距離を取る。




「………真正面から
ぶつかってくれない人は、もっと嫌いよ」



いつだって奴は諦めなかった。

たとえ嫌いだ死ね殺すと暴言を吐いても
彼は諦めない、というか言い返してくる始末だ。



「降谷はちゃんと、私を好きだと言ってくれた
……愛してると言ってくれた。
アタックもせずストーカーをする君よりも、」








「……私は降谷が好き」








自分でも驚く程に平坦なその声に

相手はぐ、と詰まったような声を出し、
錯乱したように「うるさい、…!」と
私の顎を乱雑に掴んだ。



「あんな男に君は渡さない、」



無理矢理唇を重ねようとしてくるその男、
黙って目を瞑りながらきっと次に
聞こえてくるであろうその声を待っていた。








「___嫌がってるんだから、
離してやったらどうだ?」





そう、いつだって彼は私を守ってきた。
彼が私を好きだからだ。




「な、…お前…!!」


「その女が言った通り
彼女は君よりも、僕のことが好きだそうだ。」



そう言うと語弊が生じるだろうが、と
バキャバキャと拳を鳴らす降谷を見て
新人刑事にご愁傷様と肩を落とした。





「___ヘタレにはこの女の恋人は務まらない」




残念だったな、と笑った降谷の拳が
彼の顔面のど真ん中にクリーンヒットし、
続いてドサリと鈍い音が部屋に響いた。

相変わらずのゴリラっぷりである。





(…………、やっぱり、来てくれるのね)





信じてはいたが、本当に彼は来てくれた。



「………、…」





.

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てな(プロフ) - あるさん» 返信大変遅くなりすびばせん!!!!!某ヒロア…からお借りしました(小声)大変嬉しい限りです!ありがとうございます〜(゜▽゜) (2019年1月19日 1時) (レス) id: 148a377828 (このIDを非表示/違反報告)
ある(プロフ) - 今絶賛読んでいる途中なのですが、とぉっっっっっても面白いです!!!ピザーラ銀座店です。の所、どこかのヒーローアニメと似てたような…あとそれの敵の反応も…あ!勘違いですね!はい← てな訳ですんごい面白いです!以上! (2018年11月17日 17時) (レス) id: 24dd2edea5 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 輪廻さん» ひぇー!キュンキュンしていただき感謝でございます…(´∇`)コメントありがとうございます!! (2018年8月11日 14時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
輪廻(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品ほんっとに好きで、完結したのが嬉しいやら寂しいやらで最終話読み終えた瞬間1から読み直しました笑何度読んでもめちゃくちゃキュンキュンしました!お疲れ様です!これからも応援してます! (2018年8月9日 21時) (レス) id: d5ec128220 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - Ha_3さん» 番外編なんとか入れたかった…最後くらいデレさせたいと頑張ってみましたw最後まで読んでいただきありがとうございます! (2018年8月9日 0時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2018年7月29日 12時

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