【NARUTO】記憶への愛の術【はたけカカシ】 (ページ10)

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. other's side

いま、この少女はなんといった？

唐突に大声を出した
少女に俺は度肝を抜かれた

「つ、つよく………？」

妙にキラキラ輝いている瞳に、吸い込まれそうだった

…一旦落ち着こう

「…いや、あの、どういう」

「わたしは、つよくなりたいんです」

俺の狼狽えに物怖じもせず
彼女はそう答えた

「…いきなり言われても、ねぇ
さっきあったばっか…」

「手当」

間髪入れずに彼女は俺を睨みあげる
それが人に物を頼む態度か、と思ったが

そうだ、俺は彼女に命を救われたのだ

あのまま俺が倒れていたら

なんらかの追手か賊が
俺を襲って写輪眼をとられていたかもしれない

そんな可能性もなくはない

彼女が俺につきっきりで看病してくれたからであったこその命だ

そう深々と考えていくと、
丁度日々の予定に空きが出来てきた事を思い出す

暇つぶしには、
いいかもしれない
と、少し軽々しいが俺はそう思った

「…君の名前は？」

「…A」

俺がなぜここで、
家族や友人に教えてもらえばいい、
と提案しなかったかというのは

少し悟ったからだ

おそらく少女は疎遠されている身

不安そうな顔や苗字を言わない言動がそう思わせた

「…Aか

ほんとに、俺なんかでいいの？」

一応、一応確認をとっておく

この年でも異性は異性

誤解を招かれたら困る

「…あなたが、いいんです」

なんでそこまで俺にこだわるのかは、わからない

つい何時間か前、しかも自分はほぼ寝ていた

のに関わらず

この少女は俺を選んだ

少し動揺してしまったが、

どこか謎の嬉しさを感じていた

落ちた時のあの瞬間、
真っ白な女の子、の他にも

幹に刺さっていた手裏剣が見えた

あの年で狙い通りに手裏剣を投げられるのか、
最近の若者は…と
年寄りらしくしみじみと起きた時に感じていた

恐らく彼女には素質がある

そんな逸材を育てる名誉職に

逸材自身が推薦してくれたのだ

断る理由はなかった

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