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「待てってば!!!」




本当にしつこい

こいつをまくのは難しそうだ


そう思いわたしは
全速力で走っている彼の前を向き、止まった



急に近づいた顔に驚いたのか

「うおっ……!」



と小さく呟いて彼も止まった


そのまま、じっと彼を見つめる




「…………」

「………っ」



彼は少しも自分から目をそらさないわたしを見て
すこしおののく


「……そ、そんなに見つめられると
照れるってば、よ……」



そのうち

お、俺にはサクラちゃんという大切な女の子が…!

などと理解不能な言葉を言い始めた


「………」





わたしは写輪眼を発動させる





「……」

彼はどうやら大人しく幻術にかかってくれたらしい


すると、屋根の下から声が上がった








「……おい、何してるんだ」









.









ばっ、と屋根に飛んできた上忍









白銀の、髪をしていた






彼と目が合った気がした







「…………っ…!!?」





彼は目に見えたように動揺した


なぜ、と思いながらも

上忍に捕まると厄介だと考えたわたしは
屋根から飛び移り
路地を通りながら
アジトへと戻った









「……………A…」









上忍が、私の名前を呟いた気がした





左腕が、ひどく痛んだ








.







「…………うるさいヤツがいなくなって
清々するぜ、うん」


今日は編入の日の前日
既に火影から許可はもらった

準備のために1日早く
木の葉で生活を始めることにした



見送りはデイダラが
「別に、サソリの旦那に頼まれたから
行ってやるだけだからな、うん」
などと不満そうに言っていたが
イタチにこっそりと耳打ちされた


出発が1日早まったと聞いたデイダラの顔が
ひどく寂しそうだった


それを聞いたわたしは
すこしだけ笑った





行きはデイダラの大きな鳥に乗って移動をした



「……サソリ様をよろしく」


「……………熱でもあんのか、うん」



素直にサソリ様を託す気になった私を見て
真剣に額に手を当てて熱の有無を確認するデイダラ



「……そうかもしれない」


最後の日くらい特別サービスしてあげてもいいか
なんて思い、少しだけ笑ってみせた


顳かみを押さえたデイダラが
「…詐欺だよなァ……うん」

などとほざいていたことは、
聞かないことにしてやった



「………サソリ様」

任務でやむを得ず不在の彼を思いながら
風になびく自分の髪を見る

フラッシュバックするのは、なぜか





木の葉の白銀の男





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作成日時:2018年3月18日 20時

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