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.other's side
ただの気まぐれだった
賊に襲われた女を
木陰から見ていた
偶然見えたのだ
丁度いい、面倒な賊が女を殺したところで
俺がまとめて傀儡にしてやろう
そう思っていた
「火遁 豪火球の術!」
ゴォ、と莫大な豪火球が彼女の口から吐かれた
その小さな体に
どれほどのチャクラを蓄えているのだろう
少し動揺した
「……ただの女じゃないみたいだな」
好都合だ
あの女に賊を殺させて
傀儡にしよう
そう思い立った俺は
逃げていく賊の背中をみつめる彼女の
背中に近寄る賊を始末した
「………あ、なたは」
彼女は計算外、と言わんばかりに目を見開く
左目の眼帯にすこし視線が行った
真っ白な糸のような髪だ
と、咄嗟に思った
彼女ほどの忍びを傀儡にさせれば
俺の高揚感も収まるだろう
「お前を、俺のコレクションにしてやろう」
背中から巻物を取り出し
傀儡を出す
カラカラカラという音が鳴り
刃が女に向かう
刃は女に当たらなかった
俺の不発ではない
女が顔を逸らしたのだ
それはただの偶然なんかじゃない
女は腕を大きくかかげて
叫んだ
「破!!!!」
俺の傀儡ごと
地面が割れていく
相当な怪力だ、と思うのもつかの間
コントロールがまだ不十分らしい
かなりのチャクラを消費したみたいだ
「………っぐ……!」
瞳が赤く染まっている
あの目は確か
「写輪眼…か」
殺しておくには勿体無いほどの逸材だ、
と俺は考えていた
だがコレクションにするには 実力が大きすぎるとも
.
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作成日時:2018年3月18日 20時