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「金と、食料を置いてけ」
5、6人のゴロツキが
わたしを囲っている
いわんこっちゃない、と
どこか他人事のように思う
状況とは裏腹に
ひどく冷静だった
「口も聞けないのか?」
痺れをきらした、賊の1人が
私の眼前に刃を振り下ろす
「………」
無意識に、おそらく無意識に発動された写輪眼
相手の動きをしっかりと捉えたわたしは
相手の刃を掻い潜り
咄嗟に体が、手が、動いていた
.
「火遁豪火球の術!」
莫大な豪火球に、
賊が戦いているのを感じる
焼かれていく仲間を見て
適わないと悟ったのか
潔く引き返してくれた
対して自分は
ひどく動揺していた
一体、いつどこで
こんな術を使えるようになったのか
わからない
左腕がひたすらに痛い
この身のこなし様
少なくても自分の修行だけでは
身につかないものだろう
「……ありえない」
だってわたしは
ずっとひとりだったから
ひとり悶々と悩んでいると
背後に気配を感じた
咄嗟に振り返ってももう遅く
死ね!!という敵の言葉が頭で響いた
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作成日時:2018年3月18日 20時