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.other's side
「何者だ！何故ここが…」
ビンゴ、と密かにほくそ笑む
首元に刀を添えると
怯えながらも彼は口を開いた
「あ、あの娘なら、もう遅い
今頃、あの人の術の餌食だ」
「……………術？」
なんの術だ、と無言の圧力をかけて
刀を少し動かす
「……や、やめてくれ！！！
話す、話すから…！」
術、餌食、
あまり時間はなさそうだ…と思っていた時
男が話を始めた
俺は呆然とするしかなかった
「術の名前は人体爆発
その名の通り、対象の体を爆弾にしてしまう
恐ろしい術だ」
奥から、Aのものらしき悲鳴が聞こえた
「邪魔」
情報を吐いた男を斬り捨てて
奥への道を急ぐ
きっと、きっと大丈夫
また
自分に貫かれている少女と
虚ろな写輪眼の少年が
思い浮かばれる
俺は、もう、なにも
失わない
「A…………！！」
横たわる彼女の左の腕には
確かに、術の印が、描かれていた
術を発動した男は嬉々とした様子で語る
「これだ…！これで、木の葉の崩壊が…！」
その後のことは、よく覚えていない
気がついた時には
血だらけの術者と
横たわる
出来損ないだけだった
「…………A」
術者が死んでも、
どうやらこの術は解けないらしい
なんで、どうして、
どうしてお前なんだ
「くそ………くそ………！！！！」
悔しさのあまりに顔を歪める
悔しい、辛い、悲しい……
A、A
頬張る頬についた米粒をとってやると
彼女が恥ずかしそうに俯く
どしゃぶりの雨の中
傘もささず歩いている彼女の背中は
とても小さかった
守ってあげたい、と思えるような女の子だった
ガイに言われた
「お前もついに女の子に目を向けるようになったのか…！」
馬鹿言ってんな、とその時窘めた俺の、
マスクの下は
間違いなく笑みを浮かべていた
Aを思うと、
おれは、
幸せな気持ちになれた
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作成日時：2018年3月18日 20時
