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「なんだよその髪！！きもちわりぃな！」
「かぁちゃんが言ってたぜ
こいつ、裏切り者の娘なんだってよー」
自分より少し背の高い子供たちが
私を囲う
男の子が、
私の髪を無造作に掴みあげる
「なぁ、だまってないでなんか反応しろよ
つまんねぇだろ」
もちろん、この場に助けてくれる友達なんかもいないし
子供たちを叱ってくれる大人もいない
乱れた髪を直してくれる親もいない
孤独も悲しみも慣れてしまった
「………行こうぜ」
そのうち、大将であろう体格のいい男の子が
私に背中を向け、そう言った
「いいのかよ」
その連れ達も少し不満そうに男の子に話す
きっとストレスの解消かなんかに使われているのだろう
わたしは
男の子はもうこちらを向かなかった
「こんなつまんねぇ奴
相手にするだけ無駄だわ」
わたしはいじめられもしないのか
いじめられる価値もない
わたしはずっとひとりぼっちだ
子供たちがわたしの視界に入らなくなると
わたしは俯いた
俯いた視界に自分の真っ白な髪が入ってくる
こんな髪、いらないのに
道行く人はみな黒髪
わたしだけなのだ
うちはの裏切り者の子供は
そんな裏切り者も、他界したと
自分の親代わりに嫌々させられた女が言った
わたしは特に悲しくはなかった
当然だ
顔も見たことない裏切り者が死んだところで
私にはまったく関係ないことと思えた
でも
じぶんはそのとき
本当にひとりぼっちになってしまったのだ
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作成日時：2018年3月18日 20時
