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さら、と彼の手が私の髪に触れた






「…な、なに…」









なにもかもが初めてで、いちいちドキドキしてしまう
自分が恥ずかしい


と思いつつ
原因の彼を見上げる









彼は指で毛先を弄んでいる









「………綺麗だね」









思わず、わたしは


目を見開いた









「…………なにが…?」









「ん…?髪だよ髪」









「……………は…?」









うちはではない彼にとっては、
この髪色など
どうだっていいのか


と納得した









「…………」









納得しても、なにかがもやもやした


おそらく、


この言葉は、彼に言われるからこその
価値なのだろう









例の髪を掴みあげてきた男の子達に言われても、
わたしはちっともなびかない、というか考えられない









これまで《A》をみてきてくれた

はたけカカシだからこその

わたしだけへの言葉なんだ









「……ほんとに…そう思う…?」









すこし、怖かったが

もう1回聞きたかった









あの時の光景とは全く違う

わたしの髪を優しく掬って


あなたは答えた









「とっても、綺麗だよ」









このとき
はじめてわたしは

髪を伸ばそうと思ったのだ

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作成日時:2018年3月18日 20時

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