愛され紅一点ちゃんは今日も平常運転

攻守交代 ページ16

さ「A飯行く？」


レコーディング終わりに声を掛けた




『ごめん！今日は約束あって』




莉「めずらし。友達？」




『あ、うん』




そう言って鼻の頭をかいている




俺はわかる


キュンは何か後ろめたいことがあるに違いない





「A〜終わった？」




莉「あ？そまくんじゃん」



さ「……」



そ「おつかれっす。Aもう行ける？」




『あ、はい』





じゃあ行こうと、そうまがキュンのカバンを持った




さ「ちょいちょい。どこいくの」



いやおかしいだろ


この前のエレベーターの件といい、今日といい




バッグ持つって、彼女を甘やかす彼氏のやることやん


『えっとね、』


そ「ごめん、店予約してるから」



そう言ったそうまの顔が勝ち誇ったようなそれに見えて、

俺は胸がギュンとなった




さ「A、」

そ「Aいこ。遅れる」


……。



それ以上なにも言えず二人の背中を見送った







莉「なんだ、あいつらなんかあんの？」






気になる、だけど怖くて聞けねーわ



キュンのことになると弱気になる



そんなんいよいよやばくない？

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