３ヶ月 ページ34
「ついでにだから勉強も教えるか」と加賀海は呟いて散らかっていた自分の机の上を整理し始める
沢北もお邪魔します、とだけ言って部屋の中へと入った
「さーて、何が１番駄目だったんだ？」
「…数学」
沢北がポイっと雑に机の上に投げつけた問題用紙を加賀海が手にとってパラリと眺めた
「高校初の期末考察なんか殆ど中学の復習のようなもんだろーよ」
「むっ…ちゃんと高校の範囲が半分以上だっつーの！！」
「この計算は中学…というか基礎的なやつだけどな」
あははと笑ってその事実を突きつければ沢北は言い返せないのかグッ…と詰まったような顔をしてただ恨めしそうに加賀海を睨んでいた
「ほらさっさと始めんぞ〜」
そう言って意外にも加賀海に教えてもらうことになったのだが、加賀海は教え方が上手だった
ふつーはこういう人も赤点の展開だろ…と心のなかでぐちぐち呟きつつも沢北も教えてもらっている身なので真面目に勉強をしていた
「…お前はさ、ここ３ヶ月蒼月と一緒に居てなにか思うことはなかったか？」
「！？」
唐突に始まった雑談、しかも話題は
沢北は驚いて思わず変な言葉が出てしまいそうな口を慌てて押さえた
「急になんスか」
「最近蒼月の様子が変なのはお前もわかるだろ…あ、喧嘩しててそんなことはないのかもだが」
「喧嘩売ってます？」
そんな戯れ言を言いつつ加賀海は本気で心配している目をしていたため沢北は少し真剣に考えて言葉を選んだ
「…なんか、どこか諦めてそうで、俺達のことを羨ましいとか憎いとか、よくわからない顔をしてみてるのをたまに見ます」
「あ」と沢北は思い出したのか言葉を付け加えた
「家族関係…？？はあまり良くなさそうで、兄貴の事は好きだったとか言ってたような…？？」
「蒼月の体に関しては？」
「華奢でいつも折れそうじゃないかって心配してます」
「そんな目で見てるのか」
「ちっ！！違いますよ！！だってアンタがそんな質問を＿＿＿！！」
「あくまで俺の想像だが」と加賀海は呟いた
「蒼月は体に何かしらの怪我でもしてるんじゃないかって俺は思う」
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作者名：三國 | 作成日時：2023年4月16日 8時
