【ワートリ】黒の救世主 5【三輪秀次】

169話 ページ9

「ランク外団体戦10本勝負開始」


試合開始だ。場所は…安定の市街地Aか。ここに関してはよく話し合っている。ただ…合流場所が遠いな。


「俺は着いたぞ」


「早っ」


ちょっと想定外のことが起きたな…まさかこんなにも合流地点に差ができるとは。仕方ないな…


「エネドラ、南西方向に来て。合流地点ズラす」


「分かった」


合流に向かう途中、予想通りというか…来たな。想定よりは早いけど、どうやら向こう有利の初期位置になったか。


「ラッキー、こっちか」


「…どうやら私をご存知でない？」


私がC級の時は結構C級の間でも有名人になってたんだけどな…単純に日にちが経って気付いていないだけか、名前とかは噂程度は知っていても顔は知らないか、そもそも知る気がなかったか…


「エネドラ、交戦に入るわ。合流よろしく」


「早いな」


目の前にいるのは2人。私に突っ込んでくるということは、今は3対1のはず…1人は狙撃手(スナイパー)か。


「うらあ！」


そう言って突っ込んでくる。…うん。遅い。新3バカよりも確実に弱い。オペレーターがどうとか言う前に、こいつらの実力がなさすぎる。


「…！アイビス！？」


これは想定外だった。この戦いで、アイビス…？普通に考えれば、優先順位は低いはずなんだが…アイビスは威力が高いから味方を巻き込む可能性もあるし、ましてやC級。狙う技術は低い。当たるぞ…？そもそも、今アイビスを使えば音でエネドラに位置バレするぞ…？シールドも使えないし…


「…バカだな」


「やあ、エネドラ」


エネドラが合流した。さっきのアイビスですぐに分かったようだ。


「あの威力…土木工事でもする気か？しかも、斜線で位置がバレバレなんだが。弾は遅いし」


「てっきり、ライトニングかと…慣れているイーグレットの可能性も十分あったけど、アイビスは想定外すぎ」


アイビスは重いし、移動もしにくい。まずこの試合では向いていない。弧月かスコーピオンしか持っていないやつにアイビス…？上手い人ならそんな縛りでも使いこなせるかもしれないが、こんなにも弱いC級には無理だろ…


「…なあ、少し遊ばないか？これ、つまらねえぞ」


「同感。半分くらいは遊んで、後は現実教えてやろう」




悪い笑顔を浮かべる人間がここに2人いるのであった…

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