【ワートリ】黒の救世主 5【三輪秀次】

164話 ページ4

「…やっぱり付けてたのは三輪かな」


「恐らく。…上手いですね。これで偵察などへの対策も強化できました」


「まさか、全員分のデータ取ってた？」


「はい。マスターが目線を感じた時の全てのデータを見ても、その場にいた人間は複数人が適合します。私がいることで、これも計算に入れていたようですね」


流石A級…犯人を1人に絞り込ませないとは。むしろ怖いわ。よくそこまでやるよな。…そこまでして、何か知りたいことでもあったのか？


「不明。恐らく、あの麻雀が関係しているとは思いますが…麻雀のことは知らないようでしたし、何か怪しいことをしていると思ったのでしょうか。たとえそれ以外でも三輪ももう付けてくる様子はありませんし、目的は達成されたかと」


「ですよね」



それなら、もう気にしないでいいだろう。何を疑ったのか、あるいは何が目的だったのかは分からないし気になるところだが、本人に聞けるわけもないし…というか、聞きにくい。


「なあ、お前最近夜にどこ行ってるんだ？」


「うおっ、エネドラ！？びっくりした…」


唐突に後ろから声をかけられたので、びっくりしてしまった。脅かしてくるなあ…


「諏訪隊の隊室」


「なんでそんなとこに？」


「麻雀っていう…テーブルゲームの一種って言ったら分かる？」


「あー…何となく。駒使って遊ぶのか？」


「そんな感じ」


エネドラが思っているのはチェスとか将棋とか、あっちの方が近いのではないかなと思う。近界民(ネイバー)の方でも、そういうゲームならありそうだし。戦術とか、そういう勉強的なのもあって。


「やってみる？」


「おう」


初心者にいきなり3人麻雀は4人麻雀の時と違ってルールも違うし、使う牌も違う。3人の時は数字の牌の2〜8が使われないし、チーができなかったり…異なる点がいくつかあるのだ。…まあ初心者でチーなどの鳴きを使わない初心者向けルールならほとんどがあまり気にしない点か。牌が少ないのはあれだけど。


「シス」


「はい」


私の部屋に入るとシスが実体化、トリオンでできた自動麻雀卓が現れた。イスに座り、もう試合は始められる状態だ。


「え、3人でやるのか？」


「3人か4人だね。3人か4人でルール若干違うけど…まあ、今回は許容ということで。まずは…」



こうして、また初心者麻雀講座が始まったのであった…

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