188話 ページ28
「なあなあ、今日のランク戦はどこが勝つんだ?」
「…教えてもいいけど、面白いから聞かない方がいい」
気付けば3月1日。こっちに来てから3ヶ月近く経つ。時の流れというのは早いものだ。漫画では、この3ヶ月が何年もかけて描かれる。やっぱり違うな、なんて当たり前のことを思ってしまう。
「オレらもランク戦やれねえのか?」
「今からじゃ無理。擬似的なやつはやろうと思えばできるはずだから、練習くらいはしたいな…」
この前のC級の隊と相手をして、団体でのランク戦は可能だということが分かった。ただし、本来のランク戦のように三つ巴や四つ巴が可能かどうかは分からない。そもそも、点数のやり取りがされるかどうかも分からない。推測だが、点数のやり取りがされては本当のランク戦の意味がないため、これに関してはされないだろう。
「おれらの隊が相手になれば人数的にもちょうどいいだろ」
「…唯我を除けばね。それでも勝てるか微妙でしょ」
「いやいやー、本気でやれば分からないだろ?」
…その目からして、本気というのは私のことか。出水は私のトリオン量の秘密を知っている。というか、バレた。確かに、あんなトリオン量任せの馬鹿みたいな攻撃をすれば勝つ可能性はかなり高い。
「…三輪は?」
「この中のどっかにいるんじゃね?」
「いや、そうじゃなくて。普通?」
「…?よく分からんけど、いつも通りだぞ」
あれから三輪はいつも通り、か。勿論、お姉さんも成仏できていない。目の前にいる。この試合の映像を楽しんでいるようだ。
「凄い!どうなってるんだろう…」
「見えん…」
「視力悪いのか?」
「…疲れてるみたい。治った」
その場所にいられたら見えない、と言いたいが大声は出せない。米屋に不思議がられたが、乗り切った。「幽霊が画面を隠して見えなかった」なんて言っても、信じてはもらえないだろうが。
225人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
柚宇 - 間違えました「気長」でしたね (2023年3月10日 16時) (レス) @page31 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
柚宇 - とっても面白いです!更新、気楽に待ってます!頑張ってください!! (2023年2月10日 7時) (レス) @page31 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 一気読みしました!!すごい面白いです!!続き楽しみにしてます頑張ってください!! (2023年1月29日 15時) (レス) @page31 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 何も言わずに旋空弧月さん» 大変お待たせ致しました!更新しました! (2021年8月18日 23時) (レス) id: d0e5b1f7e4 (このIDを非表示/違反報告)
何も言わずに旋空弧月 - 三輪くんと主人公の関係が今後どのようになっていくのか楽しみです。めっちゃ面白い。首を長くして更新待ってます…!! (2021年6月6日 3時) (レス) id: 43784786f9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時:2020年8月23日 0時