【ワートリ】黒の救世主 5【三輪秀次】

175話 ページ15

「あいつらの話、訊いていい？」


「…はい」


話はあのクズ3人の話へ。まあ話を聞けば聞くほどのクズっぷり。被害を受けた彼女はもはや洗脳状態に近かったのか、これが普通だと思っていたらしい。あいつらがわざと洗脳させるなんて無理だろうから、彼女の性格も相まったことによる、たまたまだろう。


「あいつらの誘いを受けた理由は？」


「断りきれなくて…」


ほら。彼女は常に受け身だ。自分からは行かない。それも何とかしたいところなんだけど…


「実力あるから、もっと自分に自信持って」


「は、はい」


そうは言うものの、やはり自信はない様子。盗聴はしたけど、本人はそれを知らないからだろう。お世辞と思われているようだ。


「ロン。国士無双」


「初心者に容赦ねえな…」


「さっきから彼女に点取られてるから取り返しただけですがー」


そんな冗談の会話もする。…彼女、さっきから役満ばかり出していて、運が凄い。普通はこんなに出ねえよ…というくらい、毎回出ている。でもまあ、相手が欲しい牌を予測したりはまだできないので、こうやって振り込むことは多いけど。


「…さっきから役満ばかり覚えるんだが」


「初心者に教えるにはどうなわけ？」


「…はい。ダメですね。役満とか滅多に出ないんで、優先順位が低いのは確かです。もうさっきから漢気麻雀でもしているのかな…」


ただの初心者たちの麻雀…のはずなのに、彼女の運が凄すぎて内容は役満を狙う漢気麻雀である。今まで散々不幸だった分、今幸運が来ているのか…？


「…こんなことに運を使っちゃダメだ、うん。一旦中止して、お菓子でも食べましょう。部屋にお菓子あったかな…」




とかぶつぶつ言いながら、麻雀は一旦中止。お茶会のようなものへと変更になった。

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