174話 ページ14
「連れて来たぞ」
「ど、どうも…」
エネドラがオペレーターの人を連れて戻ってきた。彼女は緊張しているのか、動きも声もぎこちない。
「好きなところ座ってね」
「はい」
「…いや、どこに座っている?」
なんと彼女は床に正座して座ったのだ。全員がそうじゃねえよ、と思ったことであろう。ソファーの好きなところ、という意味だったのに…
「す、すみません!」
「土下座しなくていいから」
察するに、あいつらかイスに座ることは許されていないのか…謝るときは土下座で。…これも何とかしてあげないとなあ。
「家で過ごすみたいにダラダラしてていいから」
「…」
あー…この様子だとご家庭にも問題ありですね。関係がうまくいっていないか、家での扱いもあいつらと同じ感じか…その場合、もっと大変だな。
「…仕方ないですねえ」
彼女の様子から、謎の緊張感も生まれている。これでは話を進めようにも、会話すら始まる気配がない。始まってもすぐに終わってしまう空気だ。…で、あれば…
「ちょうど4人いますし、麻雀やりましょう」
「は?麻雀?」
「2人とも、できます?」
「俺はあまりやったことないぞ?」
「わ、私もあまり…」
「ルール教えながらやるんで。あ、麻雀卓も用意したんで!」
勿論、トリオンで作った自動のものである。風間さんはどこからそんなものが出てきたのか察したらしい。ため息をついていた。
「…やるか」
「は、はい」
「さあ、始めましょうか!」
麻雀、開始である。
****
「えっと、ツモ…です」
「どれどれ…ドラやばっ!」
ドラとは上がったときに持っているとさらに点数が増える牌のことである。リーチ1個分の価値があるのだ。5が描かれた赤い牌と牌の山の中に表になっている牌がある。それの次の数の牌のことである。ただし、9のときは1に戻る。字牌はちょっと順番がややこしいので、省略する。
「で、いくつだ?」
「…数え役満。リーチ13個分の役があると役満になるやつね」
「マジかよっ!?」
「えっ」
やった本人が1番驚いていた。無自覚でやっていたのか?…とんでもない強運の持ち主だな。単にルールとかまだ分かってないから欲がないのかもしれない。…物欲センサーと似たような感じか?
「本当に初心者?」
「はい…」
普通、たまたまではこれは取れないよ…?
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柚宇 - 間違えました「気長」でしたね (2023年3月10日 16時) (レス) @page31 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
柚宇 - とっても面白いです!更新、気楽に待ってます!頑張ってください!! (2023年2月10日 7時) (レス) @page31 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 一気読みしました!!すごい面白いです!!続き楽しみにしてます頑張ってください!! (2023年1月29日 15時) (レス) @page31 id: 619c9e8827 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 何も言わずに旋空弧月さん» 大変お待たせ致しました!更新しました! (2021年8月18日 23時) (レス) id: d0e5b1f7e4 (このIDを非表示/違反報告)
何も言わずに旋空弧月 - 三輪くんと主人公の関係が今後どのようになっていくのか楽しみです。めっちゃ面白い。首を長くして更新待ってます…!! (2021年6月6日 3時) (レス) id: 43784786f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時:2020年8月23日 0時