55話 ページ15
あの後、1日かけて病院で徹底的に検査したのだが、当然異常は全くない。というか、私の血塗れの姿を見た医者が卒倒してた。…先に着替えがほしかったよ。事情を説明する前は私が殺人犯みたいな目で見られたよ。逆だわ。
「…本当に異常はないのか?」
「心配しすぎですって、忍田さん。どこも異常はないですよ。そういう超能力を持っているって、説明しましたよね?…仕方ないですね」
説明しても、なかなか信じない忍田さん。仕方ないので、実演することにした。カッターがあったので、軽く指に傷をつけて血を出す。すると、みるみるうちに傷口が塞がって、血が止まった。これで信じたようだ。
「この力がなかったら、生身でトリオン体とやるなんて無理ですよ。なかったら、刺されてなくても全身骨折に内臓がやられて死んでましたよ」
いくら治癒能力があるとはいえ、戦いの間は一瞬だけでもかなり痛かったので、超能力がなかったらどうなるかはよく分かる。
「それで、君の処遇なんだが…」
「玉狛ですか?」
「玉狛のことも知ってたか」
「君は本部で預かることになったよ」
「ああ、本部の方ですか。…はい?」
これは予想外だった。…いや、待てよ。…ああ、そうか。
「派閥のパワーバランスの関係ですか?」
「…その辺の事情も知っているとは」
確かに私が玉狛に入れば、忍田さん側は
「ボーダー隊員になるとかの話は?」
「君が望むなら、話を通しておこう。その方がこちらは都合がいいと思うが…」
「じゃあ、お願いします」
ボーダーの規則で私を縛れるからだろう。そっちの方が私もトリオン体に慣れたり、強くなるという目的では良いだろう。トリガーに頼っている点が多すぎて、素の実力は大してないだろうし。
「じゃあ、失礼するよ」
…ふう。ボーダーにも入れてよかった。
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葉月(プロフ) - 青い夕日さん» コメントありがとうございます!これからも頑張りますので、よろしくお願いします。 (2020年5月8日 0時) (レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
青い夕日 - 面白いです!更新頑張ってください! (2020年5月7日 20時) (レス) id: e84367e7a0 (このIDを非表示/違反報告)
葉月(プロフ) - 侑華さん» ありがとうございます!頑張って更新しますので、これからもよろしくお願いします。 (2020年4月11日 22時) (レス) id: f4ed754532 (このIDを非表示/違反報告)
侑華(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます。大変かもしれませんが更新頑張ってください!楽しみにしています。 (2020年4月11日 11時) (レス) id: 4a19e93e40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:葉月 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/3f2cc79ad91/
作成日時:2020年4月4日 0時