子供でいたかった【ヒプマイ】 (ページ30)

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臨死体験ページ30

「くそっ！！！」

バランスを崩し倒れてしまったトラックはもう使えない、パトカーが到着し、そしてすぐに応援も到着した。

「おい！！しっかりしろ！」

巡査部長は二人組と現場を部下に任せ、本人はグッタリと倒れた青年の方へ、ヘルメットのガラス部分にヒビが入っており、そのヒビのせいか、頭から血を流していた。

「ったく…！！無茶ばっかしやがって…！！」

「巡査部長！救急車がそろそろ到着します！！」

できる部下揃いだったらしく、言われなくとも救急車を呼んでいた。ブツも押収し、この件は一件落着したが…

「おいおい、そんなんじゃダメだ。もっと、こう！肩を外す気で」

「いっ…！？」

兄はスパルタだ。実践、いや、体に教え込まれる

拘束技だって、何度兄にされたことか

おかげで絡まれても返り討ちにできるくらいの実力はついた

毎日嫌だった。なんで私がこんな事しなきゃ…て毎日思った。だけど…

「お兄ちゃん…？」

「はぁ…、ウチの妹が…」

私は中学の頃、絡まれた不良達の肩を外して自己防衛程度にボコボコにしたことがある、当然、保護者が呼ばれる、学校で起きたことなのだが、あっち側の親は警察沙汰にすると騒いだ

「それはそれは…とても信じ難い
御宅の息子さんの素行から考慮させていただきますと…有責なのはそちらなのでは？
ま、警察沙汰にするのならば相手しますよ？」

兄はその不良達を書類送検にした。年が離れすぎて接点がなかった私たちは、その日、初めて実まくり話した気がした

「…ごめんなさい」

「なぜ謝る、お前は自己防衛した。ただそれだけだろ？」

明日学校へ行けば兄の力でねじ伏せた。と言われるのだろうか…

「まぁ、俺の教えた事が役に立って良かった。自分の身を守るのは自分だ。」

そう言って優しそうに笑ってくれた。優しく頭を撫でてくれた。私の兄は確かに悪い人だけど、私に沢山のことを教えてくれた。

「お兄ちゃん、ごめん」

お兄ちゃんの期待に添えなくて…ごめんなさい