07.最悪 ページ9
気持ち悪い
そう思いながら、帰る支度を整えた
ほぼ終わったから、後は月山に挨拶するだけ
そう思ってその場から立つと、急に屋敷内が騒がしくなった
「…様が!!……誰か!」
甲高い悲鳴に近い声がそこら中から響く
そして、バタバタとした足音が近付いてきた
うっわ面倒くさー、と思いながら近付いてきたその人に耳を傾けて誰か大まかに特定する
…大丈夫、メイドさんだ!
何が大丈夫かは置いといて、扉をノックされないようひたすら祈る
だが、そんな願いは叶わずに、普通にノックされた
「しっ、失礼します!A様!助けてください!」
扉越しなのに、悲痛な叫びが痛いほどだ
『どうかしましたか?』
あー面倒くさ、と思いながら重たい足取りで扉に向かった
「あっ、あの、習様が、ハァッ」
そう言って目に涙を溜めた
え、何で、と感じながらも状況を飲み込めないまま月山のいる部屋に向かった
走ってる途中に気づいたのだが、きっとあのメイドさんは必死だったんだろう。どうでもいいが
・
一際目立つ部屋の前で、私は周りの執事やメイドさん達に状況を聞かされながら懇願された
どうやら、月山家の戦力となる人達は狩りに出払っていていないようだ
観母さんも、採血した後どこかに出掛けたらしい
扉を開けた
その月山は、私の方を見ず、ただ暴れているだけだった
「違う!違う!違う!違う!」
そう言って骸骨の山に埋もれていた
『月山』
私がそう言うと、月山はくるっと振り向いた
そして、赫子を振り回しながら叫んだ
「もういい。もう、いいぃぃい!早く、僕の口に合う…、……カネ…、フゥッ…、美食!!」
何か言いかけて、美食と言い換える
『…うっさ』
月山の赫子は伸びて、私の方に向かってくるが、私はそれを軽々と躱す
身を翻し、上に跳べば月山もこっちを見て赫子を伸ばしてくる
そんな事わかってるよ、と視線を送れば、
「ハァァアッ、美食…、こんな粗雑なもので、僕が満足、するものかぁぁあ!」
とまだ喚いていた
『ふん、滑稽だわ』
そう呟きながら、月山の赫子を足場にし、さらに跳躍する
それから自分も赫子を出して、月山の体に巻き付けた
ジタバタしているが、動けなくなった月山に近づいて殴って気絶させる
月山は泣いていた
『ごめん、月山』
そのまま布団に寝かし、何か粉を持って武装していた使用人の方達に、挨拶をして、その場を離れた
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黒狐(プロフ) - ファイトです! (2018年10月11日 20時) (レス) id: ceb7e35640 (このIDを非表示/違反報告)
ペンシル(プロフ) - セイナさん» すみません、ありがとうございます!スランプ気味だったので、、更新頑張ります! (2018年7月6日 18時) (レス) id: 1c25c6a3e1 (このIDを非表示/違反報告)
セイナ(プロフ) - 続き更新しないんですか?この作品好きなので頑張ってください! (2018年7月5日 1時) (レス) id: 7982c0411c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペンシル x他1人 | 作者ホームページ:http://uranaimonsuto
作成日時:2016年6月1日 22時