☆4話 ページ4
｢心配しすぎなだけだよ。2人とも優しいからね｣
｢無理は良くない。鳴上や大神以外に、天満や部長 羽風先輩 朔間先輩も心配していた｣
｢あはは、これでもセーブしてるから。あんずちゃんみたいに仕事の亡者にはなってないし、仕事がなければ家でゴロゴロするし｣
そうこうしてるうちに、職員室が見えてきて 書類の山を受け取ろうとアドニスくんに声をかけようとするが、当たり前のように職員室の前に立ち"入らないのか？"と言わんばかりにこちらを見てくるので 諦めて職員室のドアをノックする
｢失礼しまーす｣
｢おぉ、来たかA…って、なんで乙狩が？｣
｢運ぶの手伝ってもらいました｣
｢なるほどなぁ〜、お前も人に頼るってことを覚えたんだな。偉い偉い｣
先生に撫でられそうになるのを瞬時に避ける。あはは、と笑っている先生は 私の顔を見て 一瞬表情が曇った
｢？｣
｢佐賀美先生、ここに置けばいいか？｣
｢…あぁ、ありがとうな。じゃああとで確認しとくからもういいぞ〜｣
失礼しました〜、とアドニスくんと職員室を出ようとすると 佐賀美先生に呼び止められる
｢Aは待て｣
｢えっ｣
なんで！？と、思い先生を見たあとにアドニスくんに少しSOSの意味を込めた視線を送る。けれど、アドニスくんは一切気づくことなく 普通に職員室をあとにした
｢な、なんでしょうか……｣
｢お前な〜〜｣
佐賀美先生は、少し逃げ腰になっている私の額にそこそこの力でデコピンをする。ペチン、と音が鳴るとすぐに襲いかかる痛みに声をだいにして訴える
｢痛ッ！？ぼ、暴力教師〜！｣
｢ただのデコピンでワーキャー騒ぐな。ったくうちの生徒はどーしてこう無理をするんだ〜？｣
｢…｣
ちょっと予想はしていたがやはりか。先程目が合った時に少し先生の表情で多少読み取れたが、やはり私の顔色が悪いことがバレたようだ
｢寝不足、栄養失調は確定だな。冬休みのあいだに何があった？ちゃんとしたもの食べて、しっかり寝なさい。いいな？｣
｢……はーい｣
"頭痛とか目眩がするとかの症状が出たらすぐ保健室に来なさい。"と釘を刺され、私は力ない声で 一言返事をして職員室をあとにした
そんなに顔色悪い？メイクで多少はバレないと思ったんだけどなぁ、あとでトイレいってメイク直すか
なんて反省のはの字もないようなことを思いながら、廊下の寒さに少し身震いをした
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作者名：ﾓﾓ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kid0019/
作成日時：2020年2月24日 11時
